常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

千歳山7.9

2013年07月09日 | 登山


千歳山にごぶさたしてしまった。昨日までの雨が上がったので、思い出したように登ってきた。久しぶりに行っても登っている人たちはみんな顔見知りだ。朝の冷気に身も心も洗われる。あちこちで写真を撮りながらいくうちに、頂上の展望台に来た。一冬を越して木材に年輪が加わり重厚さを増しているように感じる。かつては全山が松に覆われ、松山として市民に親しまれてきた。いまも、運動がてらにこの山を毎日のように散策する人々の姿がある。



松喰い虫の影響からか、松は松枯れの被害に悩んできた。千歳山の松を守ろうと近隣の有志が、松の植林を行っている。それでも山道には松が所々に見える。山道を松の根が張っているところがある。木の根の生命力を垣間見せている。沖縄の山地で板根を見たことがあるが、露出した根は通常は土の中で見えない根が幹を支える様を白日のもとに語っているようだ。この根を見てから50年を過ぎているから、おそらく100年単位で幹を支え続けているのであろう。山頂に阿古屋の松跡の石碑があるが、この松の精である阿古耶姫の伝説が、歌舞伎の演目になって上演されたことは昨年、このブログで書いた。



千歳山のもう一つの顔は稲荷信仰である。山腹にある岩五郎稲荷神社は、この地に城を築城した斯波兼頼が城の位置をこの神社に問うたところこの神社の正面にというお告げであった。そのため山形城は東の千歳山に相対して築城されたという由来が、神社の由来に書いてある。古びた狐の彫像が神秘的な雰囲気を漂わせている。

江戸時代の古川古松軒の『東遊雑記』に当地を訪れ、「千とせ山、風俗よき山なり。阿古屋の松は幾度も植え継ぎしながら、遠見大樹に身ゆるなり。麓に木仏の大仏あり」と書き記している。

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