夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ザ・インタープリター』

2005年06月02日 | 映画(さ行)
『ザ・インタープリター』(原題:The Interpreter)
監督:シドニー・ポラック
出演:ニコール・キッドマン,ショーン・ペン,キャサリン・キーナー他

そしてこれが3本ハシゴの1本目に観た作品。
本物の国連本部内で撮影が許可されたのは
映画史上初ということで話題を呼んでいます。

アフリカのマトボ共和国では、
独裁者のズワーニ大統領が、民主化を求める人びとの命を奪い続けていた。
彼はその正当性を訴えるため、
数日後にニューヨークの国連本部に赴き、演説をおこなうことになっている。

国連本部で通訳として働くシルヴィアはマトボ出身。
ある日、会議後のひとけのなくなった本部内へ
荷物を取りに戻ると、ひそひそと声が漏れてくる。
それはマトボのクー語で密談される、ズワーニ大統領の暗殺計画だった。
慌ててその場を立ち去るが、密談の主に姿を見られてしまったらしい。
その日以来、シルヴィアは誰かにつけ狙われるようになる。

さっそくシルヴィアは上司に相談。
彼女の護衛として、シークレット・サービスの捜査官ケラーらが派遣される。
しかし、シルヴィアの話に嘘の匂いを感じ取ったケラーは、彼女の身辺調査を始める。
次第に彼女の過去が明らかになり……。

先週観たロードショー3本のなかで、私はこれがいちばん好きでした。
サスペンスとしてはドキドキ度イマイチですが、
大事な人を失った者の心の置き場所を細やかに、強く描いた作品だと思います。

途中、明らかになるのは、シルヴィアの両親が地雷によって亡くなったこと。
彼女が復讐を企てているのかもしれないと疑うケラーに向かって、
シルヴィアは故郷のクー族の儀式のことを語ります。
――クー族では、殺人犯を縛って川に放り込む。
溺死させるか助けるかは、遺族の手に委ねられる。
もし溺死させれば遺族は一生喪に服すが、
犯人を助ければ遺族は悲しみから解放される――。
黙って聞いていたケラーは、妻が男と駆け落ち中に事故で亡くなったことを明かし、
自分は赦すことはできないと話します。

ケラーを演じたショーン・ペンは、どんな悲しい場面でも涙を流しません。
巧いけど、泣く演技はできないんじゃないかと、この作品に限らず言われています。
しかし、私は逆に凄いと思うのです。
一滴の涙も流さずにあんなに悲しみを表現できるなんて。

ニコール・キッドマン、美しすぎ。
トム・クルーズと離婚してから、彼女のキャリアはまさに天井知らずの勢い。
負けるな、トム!

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