夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ベルヴィル・ランデブー』

2005年10月03日 | 映画(は行)
『ベルヴィル・ランデブー』(原題:Les Triplettes de Belleville)
監督・脚本:シルヴァン・ショメ
声の出演:ジャン=クロード・ドンダ,ミシェル・ロバン,モニカ・ヴィエガ他

以前、オマリー選手が「秋風の吹く甲子園は寂しい」と、
がらがらのスタンドを指して話していたことがありますが、
ここのところの阪神はそんな心配も無縁。
まだ優勝の余韻に浸りつつ観たこのフランスのアニメ、超オススメです。

シャンピオンはスーザおばあちゃんとふたり暮らし。
内気な孫の喜ぶ顔を見ることがおばあちゃんの幸せ。
誕生日には犬のブルーノをプレゼント。
シャンピオンとブルーノは仲良く成長する。

だけど、ほかには特に興味がない様子のシャンピオン。
男の子が喜びそうな汽車のおもちゃにも没頭することがない。
シャンピオンの部屋を掃除していたおばあちゃんは、
実は彼が自転車に強く惹かれていることを知る。

さっそく三輪車を買ってきたおばあちゃん。
シャンピオンは目を輝かせる。
それ以来、自転車が生活のすべてとなったシャンピオンは、
来る日も来る日も自転車を漕ぎ続ける。
ホイッスルを吹きながら、孫の特訓につきあい、
ホイールのメンテナンスも引き受けるおばあちゃん。
数年後、シャンピオンはツール・ド・フランスに出場を果たす。

しかし、シャンピオンの息が切れ切れになった頃、
おばあちゃんの乗る救護車が何者かによってパンクさせられ、
偽の救護車がシャンピオンら数名の選手を連れ去る。
大事な孫をさらわれてなるものかと、
おばあちゃんとブルーノは海を渡って後を追うのだが……。

文無しのおばあちゃんとブルーノが
連れ去り犯の到着先であるベルヴィルで出会うのが
老齢の三つ子姉妹。この出会い方が粋。
路上でおばあちゃんがホイールを楽器に見立てて演奏を始めると、
パブの歌い手である三姉妹が現れて、
一緒にリズムを奏でます。心が躍る楽しさ。

三姉妹の住むアパートで出される料理はカエル尽くし。
蒸したり、焼いたり、まだ脚がピクピク動いてたりして。
デザートは乾燥オタマジャクシを煮たもののよう。

連れ去り犯はフランス・ワイン・センターの地下組織。
ボスらしき男性が、ワインのテイスティングをする音もリアル。
彼らとのカーチェイスもハリウッド顔負け(?)。

デフォルメしすぎじゃないかというキャラクターは
決して可愛くありません。しかし、愛すべき風貌。
背景はこのうえなく美しく、音楽も絶品。
最高に楽しい作品です。買っちゃいます。

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