夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

蜘蛛を観察する。

2005年10月14日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
先週、ベランダに蜘蛛が出現しました。
体長3cm近く、最近見たなかではいちばん大きな蜘蛛です。
窓越しに観察すると、この蜘蛛が黄色と黒の縞模様。
そう、思いっきりタイガースカラーなんです。
手足が長くて(どれが手でどれが足なのかは知りませんが)
ほっそりしていて、なかなか美しい。

調べてみたら、ナガコガネグモでした。
人間には無害なようですし、
日本シリーズ前にわが家に現れたのも何かの兆しかと、
とりあえずはベランダの片隅をお貸しすることにしました。

さて、蜘蛛に関する映画は結構あります。
昆虫もホラーも苦手なわりには、
巨大なんたらが出てくるパニックものというのは
怖いというよりは可笑しいので大好きです。
『ジャイアント・スパイダー 大襲来』(1975)や『巨大クモ軍団の襲撃』(1977)、
『スパイダーズ 宇宙から来た巨大グモ』(2000)などなど、B級だらけ。
どれもこれも「巨大な蜘蛛が襲ってくる」と
説明ができてしまうところがスゴイでしょ。

『スパイダーマン』(2002)はA級とさせていただくとして、
有名な役者を配し、お金も注ぎ込んだにもかかわらず
立派なB級に仕上がったのが『スパイダーパニック!』(2002)。
『GODZILLA ゴジラ』(1998)や『インデペンデンス・デイ』(1996)の監督、
ローランド・エメリッヒがプロデュースしていますので、
超お金のかかったB級作品になるのは当然。
低予算の蜘蛛映画と同じく、巨大化した蜘蛛が人間を襲います。
パニックものではありますが、コメディタッチで描かれていて、
愛すべき作品になっています。

変わった蜘蛛映画としては『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』(2002)。
パトリック・マグラアの同名小説の映画化です。
監督のデヴィッド・クローネンバーグといえば
『ザ・フライ』(1986)で研究途中に蝿と融合してしまった男、
『戦慄の絆』(1988)では産婦人科医であるシャム双生児、
『クラッシュ』(1996)では交通事故で負った傷痕に欲情する人びと、
『イグジステンズ』(1999)では人間の背中に端末を接続するゲームの話と、
もっぱらグロテスクなシーンを好む人。
が、本作に限ってはそんなシーンは登場しません。
統合失調症の青年が他の精神を患う者たちとともに暮らします。
蜘蛛の巣に表現される、忌まわしい記憶の断片。

巣を張るのが上手な蜘蛛と下手な蜘蛛がいますが、
ウチの蜘蛛の巣は芸術的です。

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