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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『厨房で逢いましょう』

2008年05月02日 | 映画(た行)
『厨房で逢いましょう』(原題:Eden)
監督:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ,シャルロット・ロシュ,
   デーヴィト・シュトリーゾフ,マックス・リュートリンガー他

ドイツ・スイス合作。現在新作棚にてレンタル中。
邦題からイメージされるのは、
料理が見た目にも楽しいロマンティックコメディですが、
借りてみたらえらい違い。

幼い頃、妊娠中の母のお腹の出具合に魅せられて以来、
グレゴアの夢は、あんなお腹になること。
食べることに執念を燃やし続けた彼は、
いまや食通をも唸らせる著名な料理人。
官能的ともいえる彼の料理を食べようとやってくる客が後を絶たず、
店はずっと先まで予約でいっぱい。

料理の腕は一流でも、人づきあいが苦手なグレゴアは、
近所のカフェのウェイトレス、エデンに恋している。
しかし、声なんてかけられない。
ただ、エデンのことを見つめるだけ。

ある日、グレゴアは公園の噴水で溺れかけた少女を助ける。
抱き上げて、母親のもとへ連れて行くと、
少女はエデンの娘レオニーだった。
もうじきレオニーの誕生日であることを知り、
グレゴアはチョコレートケーキを贈る。
ダウン症のレオニーは、チョコレートを食べることを禁じられていたが、
ケーキにのせられたプラリネに夢中になる。
レオニーからプラリネを取り上げたエデンは、ひと口食べて言葉を失う。
あまりにも素晴らしく、とろける味だったから。

プラリネの味を忘れることができず、
エデンはグレゴアの自宅を訪れる。
グレゴアの料理を味見したエデンは、彼の料理の虜に。
毎週火曜日、彼の料理を食べにやってくるようになる。

ま~、自己チューもいいとこなんです。このエデンが。
「私たち、いいお友だちよね?」などと無神経にぬかし、
グレゴアに美味しい料理を食べさせてもらっているおかげで
夫との仲が上手く行くようになったと、イラつく笑顔で話します。
「僕はあなたのいったい何なんだ?」と問いかけつつ、
エデンの訪問を断れないグレゴア。

そのうち、ふたりのことが近所で噂になり、
飲み仲間からそれを聞いた彼女の夫は
嫉妬心をメラメラ燃やしてグレゴアを襲撃。

なんともブラックな展開で、ラストの和み方もチョイ微妙。
ここまで行くと、この展開を笑わな損という気になります。
いつぞやも書きましたが、「天真爛漫と無知は紙一重」とは
まさにエデンのような女性のことかしらん。
ちなみに原題はその彼女の名、“Eden”です。

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