『花戦さ』
監督:篠原哲雄
出演:野村萬斎,市川猿之助,中井貴一,佐々木蔵之介,佐藤浩市,
高橋克実,山内圭哉,和田正人,森川葵,吉田栄作,竹下景子他
日曜日にTOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの1本目。
原作は、戦国時代に実在した花僧・池坊専好を主人公にした時代小説『花いくさ』。
監督は『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)や『起終点駅 ターミナル』(2015)の篠原哲雄。
頂法寺(通称=六角堂)の変わり者の花僧・池坊専好(野村萬斎)。
織田信長(中井貴一)の前でいけばなを披露することになり、
もしもお眼鏡に適わなければ斬首もあるところ、みごと気に入られる。
それを目の前で見ていたのが千利休(佐藤浩市)と豊臣秀吉(市川猿之助)。
十数年後、信長は本能寺の変ですでに他界。
秀吉が天下人として世に君臨し、利休はその茶頭に。
六角堂の執行(しぎょう)(諸務を取り扱う僧の長)となっていた専好は、
多忙ゆえ楽しんで花をいけることがなかなかできず、悩んでいた。
そんな折り、幼なじみの吉右衛門(高橋克実)から店頭に飾る花を頼まれ、
久しぶりにいけばなを楽しむ。通りすがりにその花を見たのが利休。
利休はさっそく専好を茶室に招待する。
以降、花と茶というちがいはあれど、親交を深める専好と利休。
一方、秀吉はわがままを言いたい放題。
金の茶室をつくるように命じられた利休は、断りはできなかったものの、
庶民を招いて野点(のだて)を企画。
金の茶室では秀吉本人が茶を点ててくれるのだという。
最初のうちはそれが評判となり、庶民が行列をなすが、
専好がいけた花で飾られた木の下、利休が茶を点てはじめたところ、
誰も秀吉の茶室に見向きもしなくなる。
秀吉は利休に怒りの矛先を向けるのだが……。
そのほかのキャストは、前田利家役に佐々木蔵之介、石田三成役に吉田栄作。
河原に倒れていた少女おれん役に森川葵、その葵を預かる浄椿尼役に竹下景子。
花をもって暴君の心を変えられるか。
感動的ではあるのですが、気になるところいろいろ。
実在の人物なので、これは本当にそうだったのでしょうが、
専好は人の顔と名前が覚えられません。
病としては「相貌失認」という名前があるそうです。
専好の症状が病として認識されるぐらいのものだったのかどうかは知りません。
この描き方がものすごく微妙で、本作に果たしてそれが必要だったかどうか。
また、秀吉の描き方がアンマリ。
これでは傍若無人なだけのようで、もうちょっと名将としての敬意を払ってもよかったのでは。
いちばんびっくりしたのは、終盤の読経のさいの野村萬斎の声の良さ。
こんな声でお経を読まれたら、みんな惚れてしまうでしょうね(笑)。
万人受けはすると思います。
監督:篠原哲雄
出演:野村萬斎,市川猿之助,中井貴一,佐々木蔵之介,佐藤浩市,
高橋克実,山内圭哉,和田正人,森川葵,吉田栄作,竹下景子他
日曜日にTOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの1本目。
原作は、戦国時代に実在した花僧・池坊専好を主人公にした時代小説『花いくさ』。
監督は『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)や『起終点駅 ターミナル』(2015)の篠原哲雄。
頂法寺(通称=六角堂)の変わり者の花僧・池坊専好(野村萬斎)。
織田信長(中井貴一)の前でいけばなを披露することになり、
もしもお眼鏡に適わなければ斬首もあるところ、みごと気に入られる。
それを目の前で見ていたのが千利休(佐藤浩市)と豊臣秀吉(市川猿之助)。
十数年後、信長は本能寺の変ですでに他界。
秀吉が天下人として世に君臨し、利休はその茶頭に。
六角堂の執行(しぎょう)(諸務を取り扱う僧の長)となっていた専好は、
多忙ゆえ楽しんで花をいけることがなかなかできず、悩んでいた。
そんな折り、幼なじみの吉右衛門(高橋克実)から店頭に飾る花を頼まれ、
久しぶりにいけばなを楽しむ。通りすがりにその花を見たのが利休。
利休はさっそく専好を茶室に招待する。
以降、花と茶というちがいはあれど、親交を深める専好と利休。
一方、秀吉はわがままを言いたい放題。
金の茶室をつくるように命じられた利休は、断りはできなかったものの、
庶民を招いて野点(のだて)を企画。
金の茶室では秀吉本人が茶を点ててくれるのだという。
最初のうちはそれが評判となり、庶民が行列をなすが、
専好がいけた花で飾られた木の下、利休が茶を点てはじめたところ、
誰も秀吉の茶室に見向きもしなくなる。
秀吉は利休に怒りの矛先を向けるのだが……。
そのほかのキャストは、前田利家役に佐々木蔵之介、石田三成役に吉田栄作。
河原に倒れていた少女おれん役に森川葵、その葵を預かる浄椿尼役に竹下景子。
花をもって暴君の心を変えられるか。
感動的ではあるのですが、気になるところいろいろ。
実在の人物なので、これは本当にそうだったのでしょうが、
専好は人の顔と名前が覚えられません。
病としては「相貌失認」という名前があるそうです。
専好の症状が病として認識されるぐらいのものだったのかどうかは知りません。
この描き方がものすごく微妙で、本作に果たしてそれが必要だったかどうか。
また、秀吉の描き方がアンマリ。
これでは傍若無人なだけのようで、もうちょっと名将としての敬意を払ってもよかったのでは。
いちばんびっくりしたのは、終盤の読経のさいの野村萬斎の声の良さ。
こんな声でお経を読まれたら、みんな惚れてしまうでしょうね(笑)。
万人受けはすると思います。