『花腐し』
監督:荒井晴彦
出演:綾野剛,柄本佑,さとうほなみ,吉岡睦雄,川瀬陽太,MINAMO,Nia,
マキタスポーツ,山崎ハコ,赤座美代子,奥田瑛二他
シネ・リーブル梅田にて2本ハシゴの1本目。
荒井監督らしく(笑)、R18+指定作品です。
その女優・桐岡祥子(さとうほなみ)と栩谷は6年間同棲していたのに、彼女の両親はその事実を知らない。
女優になると言って上京した娘の恋愛相手は桑山だったと両親は思い込んでいる。
通夜会場ではピンク映画業界の不況をぼやく同業者たち。
栩谷だって、映画を撮れないからもちろん稼ぎもない。
家賃を払うのもきつくなり、マンションの大家・金昌勇(マキタスポーツ)に直訴しに行くと、
金が所有するボロアパートに居座り続けている男性・伊関貴久(柄本佑)を追い出してほしいと言われる。
アパートを取り壊して建て替えたい金は、さまざまな手を使って伊関を退去させようとしたが失敗。
もしも退去させることに成功すれば家賃について考慮してやってもいいと。
強面を送り込んでも駄目だったのに、自分に成功させられるわけがないと思いつつ、
とりあえずくだんのアパートへと向かった栩谷は伊関と面会。
何かとイライラさせられながらも伊関の部屋に招き入れられ、酒を酌み交わしはじめるのだが……。
栩谷と伊関がつきあっていた女性が同じ祥子であろうことに本人たちは気づかずに話していますが、
私たち観ている者は早いうちに同一人物であることに気づきます。
ただ、祥子が二股をかけていたわけではなく、2000年から数年間の相手が伊関、
2006年からの6年間の相手が栩谷で、2012年に祥子は桑山と心中してしまいます。
2012年現在が舞台のシーンはモノクロで撮られ、それより過去のシーンはカラーで。
これがすでに面白い見せ方だと思いました。過去のほうが色鮮やか。実はこんなもんでしょうか。
冒頭の通夜会場のシーンで、ピンク映画について語られるシーンはまんざら嘘ではないかも。
本人役で登場しているいまおかしんじ監督はおそらく成功者のひとり。
「馬鹿野郎。何を撮るかじゃなくて、何を撮らないかが大事なんだよ」という台詞はちょっと刺さる。
舞台は平成だというのに、思いっきり昭和。
祥子がカラオケで歌う曲が山口百恵の『さよならの向う側』だったり。
オリンピックで付近の住民が強制退去させられる話なども差し挟まれています。
これはラストというべきかオチというべきか、最後のシーンはやっぱり芥川賞受賞作だと思いました。
どう解釈すべきか迷うので、原作も読んでみることにします。
エンドロールで流れる『さよならの向う側』は原曲であってほしかったと思っていたら、えっ!?
笑ったけど、これでよかったのかどうかはわかりません。ちとあざとい(笑)。