夜な夜なシネマ

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『ベイビー・ブローカー』

2022年07月03日 | 映画(は行)
『ベイビー・ブローカー』(英題:Broker)
監督:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ,カン・ドンウォン,ペ・ドゥナ,イ・ジウン,イ・ジュヨン他
 
この日も実家に寄った後、109シネマズ大阪エキスポシティにてレイトショー。
連日寝不足だったから睡魔に襲われる心配をしていましたが、
言うても是枝裕和監督作品でしょ。と思ったらありえないぐらい爆睡してしまった。(^^;
 
若い女性ソヨンが躊躇いながら向かう先は“赤ちゃんポスト”。
何らかの事情で育てることができない赤ちゃんを匿名で預けることができるポストだ。
ソヨンはポストの前にそっと赤ちゃんを置くと立ち去る。
 
その様子を少し離れたところの車中から見ていた刑事スジンとその部下イ。
スジンはポストに赤ちゃんを入れると、それを知らせるベルを鳴らす。
赤ちゃんが届いたことを知った施設の職員が内側でポストを開ける仕組み。
 
実は施設の職員ドンスは、クリーニング店を営むサンヒョンと手を組み、
ポストに届いた赤ちゃんを盗んでは売るという違法な商売に手を染めていた。
ソヨンが預けた赤ちゃんも同様に盗み出し、売る算段を進める。
 
ところが翌朝、思い直したらしいソヨンが施設に現れる。
ドンスの態度に怪しさを感じた彼女は、すぐによからぬことをしていると見抜き、
ちゃんとした養父母を探すというサンヒョンとドンスに同行すると言い出す。
 
一方、赤ちゃんを売っている彼らを現行犯逮捕したいスジンとイも彼らの後をつけはじめ……。
 
いい話のはずなのに、ものすごく退屈。
まず多くの人が思うことでしょうが、なぜこれを韓国で撮る必要があったのか。
 
サンヒョン役のソン・ガンホは素晴らしい俳優だし、ドンス役のカン・ドンウォンも大好きです。
いつのまにか40歳を過ぎたペ・ドゥナがこんな刑事を演じるのを見るのも嬉しいし、
『野球少女』(2019)が記憶に新しいイ・ジュヨンがその部下役というのも楽しい。
ソヨン役のイ・ジウンは大人気の歌手で女優らしく、すれた役でも美しい。
そうです、凄い面々が揃っているのですけれど、それだけに物足りなさが募ってしまう。
 
『万引き家族』(2018)で世界的に有名になった是枝監督が、
その翌年にカトリーヌ・ドヌーヴ主演で『真実』(2019)を撮ったときと同じ印象を受けます。
 
先日たまたま観た『関ジャム 完全燃SHOW』で、
海外公演する可能性はあるかと問われた山下達郎が「絶対ない」と断言していたのを思い出します。
国内の、目の前のファンを喜ばせることもできないで何が海外か。
 
是枝監督はすでに国際的監督だから、国内のみならず海外も視野に入れるよねとは思うものの、
国内で国内の俳優を起用して撮っていたときの作品のほうがよかった気がして仕方がない。
 
結局、誰に感情移入したらいいのかわからないから眠くなる。
もし自分の気持ちを移入することができる登場人物がいれば、絶賛作品になるのかもしれません。

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