『アンダーカレント』
監督:今泉力哉
出演:真木よう子,井浦新,江口のりこ,中村久美,康すおん,内田理央,永山瑛太,リリー・フランキー他
なんばパークスシネマにて、3本ハシゴの〆がこれ。
原作は2004年から2005年に渡って『月刊アフタヌーン』に掲載された豊田徹也の漫画。
いつの頃からか、好きだなと思うと今泉力哉監督作品だったということが多く、
これも今泉監督が映画化してくれて嬉しいです。
夫の悟(永山瑛太)と共に月の湯をずっと守っていくつもりでいたのに、悟が突然失踪。
しばらく休業の末、おばの木島敏江(中村久美)の手を借りて再開する。
ある日、銭湯組合から紹介されたという堀隆之(井浦新)が職を求めてやってくる。
銭湯に勤めるにはもったいないぐらいの資格を複数持つ堀にかなえは驚くが、
堀はぜひともここで働きたいらしく、家が見つかるまでのあいだ住み込むことに。
自分のことはいっさい話そうとしない堀ではあるが、仕事ぶりは真面目で、
ご近所さんにもすぐに溶け込む様子を見て、かなえは次第に穏やかな気持ちを取り戻すように。
旧友の菅野よう子(江口のりこ)と久しぶりに会ったかなえは、
最初は悟の失踪を隠していたものの、話の流れで打ち明けてしまう。
すると菅野は夫の知り合いの探偵を紹介してくれると言う。
待ち合わせ場所にいた探偵の山崎道夫(リリー・フランキー)はどう見ても胡散臭い。
しかし、調査が進むにつれて、悟の何もかもが嘘だったことがわかり……。
うーむ、途中まではやっぱり今泉監督が好きだと思いながら観ていたのですけれど。
143分は長すぎます。最後の30分になってからのかなえと悟の会話にイライラ。
この町では20年前に悲しい事件がありました。
小学生だった少女が何者かに連れ去られ、後日、池で絞殺体となって発見される。
そしてその犯人は今も捕まっていません。
本作を観るかぎり、犯人は悟でしょうと思うのですが、違うのでしょうか。
少女が連れ去れるのを見ていたかなえは犯人から「絶対誰にも言うな。ずっと見ているからな」と脅された。
悟が見張るためにかなえに近づいて結婚した、そういうことなのでは。
そして殺された少女の兄が堀。これは作中でも明らかにされています。
仲良しだった妹が殺されて一家はバラバラに。
妹の姿を求めて町に来た堀は、これからどうするのか。
全体の雰囲気は好きですが、かなえと悟の煮え切らない会話にゲンナリ。
そこをもっとシンプルにして、2時間以内にまとめてもよかったのでは。
最後は、リリー・フランキー、通報しろ!ここに警察が来て悟つかまれ!と思っていました(笑)。
私としてはちょっと残念。