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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『16ブロック』〈追記〉

2008年05月08日 | 映画(番外編:映画と邦題・字幕・台詞)
昨日の『16ブロック』に出てきた性格診断について。

冒頭、喋りっぱなしのエディに問いかけられたとき、
ジャックはこの質問に答えません。
考えているふうでもなく、やかましいエディをまったく無視します。
答えたのはラスト近くになってから。
このシーンがまた実に良くて(ラストシーンの次に好き)、ホロリと来ます。

ジャックの答えは、こうでした。

「車は親友に預けて、ばあさんを病院へ送らせる。
 自分は理想の女性とバス停に残れば、万事めでたし」。

やられました。ブラボー。

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『16ブロック』

2008年05月07日 | 映画(さ行)
『16ブロック』(原題:16 Blocks)
監督:リチャード・ドナー
出演:ブルース・ウィリス,モス・デフ,デヴィッド・モース他

「いつ何時も困った顔」の両雄(?)と言えば、
ニコラス・ケイジとブルース・ウィリス。
さらに、どちらも進行しつづけるハゲですが、
最近のブルース・ウィリスにはメタボまでプラスされ、
本作ではそのヨレヨレ度がぴったりハマっています。

酒浸りの日々を送っているNY市警の刑事ジャックは、
昨日も夜勤中に酒をかっ喰らい、二日酔いでヨタヨタ。
帰途につこうとした朝8時すぎ、上司から仕事を命じられる。
市警からわずか16ブロック(=約1.6km)離れた裁判所へ、
ある事件で収監中の証人エディを10時までに送り届けろというもの。
ヘロヘロのジャックは断ろうとするが、
15分もあれば終わる仕事だと言われ、仕方なく引き受ける。

お調子者の青年エディは、護送車を運転中のジャックに
のべつ幕なしに喋りかける。
うんざりしたジャックは途中で車を停め、
エディを車内に残して、いきつけの店に酒をあおりに立ち寄る。

ところが、その間にエディが何者かに襲われる。
エディを間一髪で救い出したジャックは、
酒店に駆け込み、応援を要請する。

異様に早く現場に到着した同僚刑事フランクたちは、
ジャックが予想だにしていなかったことを口にする。
「そのガキは我々に不利な証言をする。消してしまおう」と。
エディが射殺されかけたそのとき、ジャックが先に発砲。
ジャックはエディを連れてその場から逃げる。
大陪審が終了する予定の10時までに
エディを送り届けることはできるのか。

アル中、メタボなうえ、片足の不自由なジャックが、
ちんけなお調子者エディのために体を張り、
さっきまでは仲間だったはずの悪徳刑事軍団に立ち向かいます。

とってもわかりやすい直球の娯楽映画ですが、
こういう作品はたまに観るとやっぱりスッキリ。
ラストシーンでは思わずホロリとさせられて、
人生を明るくすらしてくれます。

エディが車中でジャックに問いかける性格診断がありました。
「これで性格がわかるよ」とエディ。

「嵐の中、運転してると、バス停で3人待っている。
 1人はばあさん。病気で死にそう。
 次は親友。あんたの命の恩人だ。
 最後はあんたの理想の女性。
 皆乗せたいが、車に乗れるのはあと1人だけ。誰を乗せる?」

あなたならどうしますか。
私が思わず唸ったジャックの答えは明日にでも。

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『厨房で逢いましょう』

2008年05月02日 | 映画(た行)
『厨房で逢いましょう』(原題:Eden)
監督:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ,シャルロット・ロシュ,
   デーヴィト・シュトリーゾフ,マックス・リュートリンガー他

ドイツ・スイス合作。現在新作棚にてレンタル中。
邦題からイメージされるのは、
料理が見た目にも楽しいロマンティックコメディですが、
借りてみたらえらい違い。

幼い頃、妊娠中の母のお腹の出具合に魅せられて以来、
グレゴアの夢は、あんなお腹になること。
食べることに執念を燃やし続けた彼は、
いまや食通をも唸らせる著名な料理人。
官能的ともいえる彼の料理を食べようとやってくる客が後を絶たず、
店はずっと先まで予約でいっぱい。

料理の腕は一流でも、人づきあいが苦手なグレゴアは、
近所のカフェのウェイトレス、エデンに恋している。
しかし、声なんてかけられない。
ただ、エデンのことを見つめるだけ。

ある日、グレゴアは公園の噴水で溺れかけた少女を助ける。
抱き上げて、母親のもとへ連れて行くと、
少女はエデンの娘レオニーだった。
もうじきレオニーの誕生日であることを知り、
グレゴアはチョコレートケーキを贈る。
ダウン症のレオニーは、チョコレートを食べることを禁じられていたが、
ケーキにのせられたプラリネに夢中になる。
レオニーからプラリネを取り上げたエデンは、ひと口食べて言葉を失う。
あまりにも素晴らしく、とろける味だったから。

プラリネの味を忘れることができず、
エデンはグレゴアの自宅を訪れる。
グレゴアの料理を味見したエデンは、彼の料理の虜に。
毎週火曜日、彼の料理を食べにやってくるようになる。

ま~、自己チューもいいとこなんです。このエデンが。
「私たち、いいお友だちよね?」などと無神経にぬかし、
グレゴアに美味しい料理を食べさせてもらっているおかげで
夫との仲が上手く行くようになったと、イラつく笑顔で話します。
「僕はあなたのいったい何なんだ?」と問いかけつつ、
エデンの訪問を断れないグレゴア。

そのうち、ふたりのことが近所で噂になり、
飲み仲間からそれを聞いた彼女の夫は
嫉妬心をメラメラ燃やしてグレゴアを襲撃。

なんともブラックな展開で、ラストの和み方もチョイ微妙。
ここまで行くと、この展開を笑わな損という気になります。
いつぞやも書きましたが、「天真爛漫と無知は紙一重」とは
まさにエデンのような女性のことかしらん。
ちなみに原題はその彼女の名、“Eden”です。

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