マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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今井谷八講祭

2006年04月13日 09時08分13秒 | 桜井市へ
樹齢300年以上の枝垂れ八講桜(桜井市指定文化財)につぼみが一輪ずつほころぶ今日、桜井市今井谷の満願寺では八年ぶりに談山神社の祭神である藤原鎌足の威徳をしのぶ「八講祭」が営まれます。

地元八カ大字の講が年番で行われる法華経法会法華八講の民間信仰は、談山神社の御廟拝所で行われていますが、八年に一度回ってくる今井谷地区の当番年だけは同寺で開かれます。

室町時代から続くといわれ、代々引き継がれてきた鎌足公、定慧(じょうえ)、不比等の父子3人の肖像掛け軸画を掲げ、礼服姿の住民らが参加し、談山神社宮司が厳かに祝詞を奏上し、巻物を広げ謂れを読みあげます。

両脇に唐の僧、寒山捨得(かんざんじっとく)の掛け軸を掲げます。

上段の祭壇には50年ぶりに復活させた古来の供え物「立て御膳」を供えます。

扇のように広げた昆布の周りにはダイコン、ゴボウ、タケノコ、ナガイモ、ウドなどの野菜やフ、スルメ、カンテンなど乾物を紐で括り立てて供えます。

下段にはブリやタイなどの神饌が供えられるもので神仏習合の供え物です。

最後に参列者らは「南無談山大明神」と10回唱え、謡曲の「高砂」「四海楼」「海人」を録音テープで聴き、鎌足父子の霊を慰めます。

談山神社は明治時代までは藤原氏一族の繁栄を願う寺で、一般の参詣が許されなかった。そこで掛け軸画を本尊として奉る民間信仰の講が生まれたといわれます。

(H18.4.2 Kiss Digtal N撮影)