マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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丹後庄町八雲神社注連縄掛け

2012年02月05日 09時13分49秒 | 大和郡山市へ
丹後庄町では長老十人制を廃して北と南の9人が八雲神社の年中行事を交互に営んでいる。

行事は元旦祭から始まって祈年祭、祇園祭、提灯を掲げる宵宮祭、秋祭、新穀祭、〆縄作りがある。

行事ごとに供えものの神饌などが詳しく書かれてた昭和40年代に記された御営帳がある。

貴重な資料だということで大切にされている。

特に〆縄の図面も詳しく墨書されている〆縄作りでは30日だったが現在は31日となった。

それはともかく注連縄作りだけは北と南の人たちが合同でされるのだ。

一同が顔を合わせるのはこの日だけである。

いつもの顔ぶれが揃ったら注連縄作りや清掃などをそれぞれが分担して作業を始める。

注連縄作りは大きな注連縄と小さな注連縄の作業に分かれて作られる。

小注連縄と呼ばれる小さい注連縄は長老の役目だと言って、若い人は拝殿に登れないというが年齢差はほとんど感じない。

反対側の拝殿では4人が二つの大注連縄を作っていく。



一つは本殿でもう一つは社門に飾る大注連縄である。



いずれも手際が良いので編むのが早い。

大注連縄は中央にトコロ、堅炭を半紙に包んだ炭俵、ダイダイを串柿とともに括りつける。

小注連縄は別名に「ヒチゴサン」と呼ばれ、藁下がりを七、五、三の本数を垂らされる。

通称では「ゴンボ」と呼ぶ長老も居る。

中央に水引で括られるウラジロとユズリハ。



小注連縄は30本ほど作られ、唐獅子、石燈籠、拝殿、四本柱、神饌所、吊り燈籠、花捨屋形、手水、稲荷社や鳥居などに飾る。

唐獅子と呼ばれている狛犬は「世話人両座中 文政六年 惣代名」の刻印がある。

天保八年の年代が記された常夜燈も見られる。

また、「明治22年 若連中」と記された燈籠もある。

それぞれが寄進したものだが「世話人両座中」の文字は二つの座があったことを示す。

今でいう北と南がそれにあたるのであろう。

全ての飾りつけを終えて解散した。

明日は元旦祭。

北の人たちが祭祀にあたる。

正月を迎えた15日には神さんを迎えた注連縄を外して31日に行われるとんどで燃やされる。

(H23.12.31 EOS40D撮影)