ストローバレイ家の介護奮闘記

90→→92歳の母を支える4姉妹の泣き笑い奮闘記・・とその後

映画「希望の国」

2012-11-21 21:07:15 | 日常
               

「ヒューマントラストシネマ有楽町・シアター2」で上映中の映画「希望の国」を見てきました。

『東日本大震災から数年後の20XX年、日本、長島県。酪農を営む小野泰彦は、妻・智恵子と息子・洋一、その妻・いずみと満ち足りた日々を送っていた。あの日が来るまでは。
長島県東方沖を襲ったマグニチュード8.3の地震と、それに続く原発事故は、人々の生活をたちまち一変させる。原発から半径20キロ圏内が警戒区域に指定される中、強制的に家を追われる隣の鈴木家と、道路ひとつ隔てただけで避難区域外となる小野家。
・・・泰彦はかつてこの国で起きた未曾有の事態を忘れていなかった。国家はあてにならないと言い、自主的に洋一夫婦を避難させ、自らはそこに留まる泰彦。
・・・・・・
やがて、原発は制御不能に陥り、最悪の事態を招いてしまう。泰彦の家が避難区域となり、強制退避を命じられる日も刻一刻と迫ってきた。』
(公式サイト「ストーリー」より)

この映画のことが話題になってから、「見たい」「見なくてはいけない」という思いを抱き続けていましたが、主人公家族が「酪農家」であることや、紹介映像に可愛い飼い犬やさ迷う牛や山羊たちの姿があるのを見て、動物達に齎されるであろう苛酷な状況を直視できる自信がなくて、ずっと躊躇していました。でも、都内近郊の映画館の上映がほぼ今月中に終るので、グズグズしている場合じゃない、とついに今日見に行く決心をしました。

幼子に戻ったような妻・智恵子と妻を労わる康彦の姿は、どこまでも温かい。若いカップルの支えあう姿はどこまでも愛おしい。映像は美しく、人々は優しくて、その分起きた事態の救いの無い深刻さが際立ちます。家族愛・人間愛が最後に残る希望だとしても、起きている現実は辛く、悲しく、悔しく、「希望の国」ではなく「絶望の国」と呼ぶしかないという事実が胸に突き刺さります。

私が入った朝の回は、座席数63席の2/3位しか客は入っていませんでしたが、皆さん、女性も男性も、画面を見ながら泣いていました。おそらく、これはフィクションとして描かれているけれど、1年8ヶ月前に福島で起きて、今も続いている現実だと感じながら見ていたのだと思います。

私にとっては必見の映画だったし、本当に見て良かったと思いますが、誰にでも「是非見て」と気軽にお勧めするには、ちょっと重い作品でした。(三女)
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