今全国で絶賛(?)上映中の「帰ってきたヒトラー」を、TOHOシネマズシャンテで見てきました。
格差・貧困の拡大、移民問題、栄光の喪失など、世界の先進国が問題を抱えている状況はドイツ社会も同じ。人々は日々をせつな的に暮らしながら不満を溜め込み、テレビは料理番組や下らないお笑いでお茶を濁す。
そんな中、ヒトラーがタイムスリップで帰ってきて、町の中に入って人々と対話して潜在的な不満を引き出し、テレビに出演して巧みなアジ演説で人々の心をひきつける。視聴率アップの手段としてヒトラーを利用しているつもりのテレビ局幹部のバックアップを得ながら、、、。
ドイツ社会はいつの間にか、社会的に絶対タブーであったはずのヒトラーを、笑顔で受け入れるようになる。こうして、ドイツには、再びあのナチス支配の社会が戻ってくるのだろうか?市民の熱狂的な支持を受けながら。
映画の中のヒトラーが演説の中で、「ドイツの誇り」だけでなく「民主主義」や「自然保護」など、誰の耳にも心地よい言葉を巧に織り交ぜ、価値観が混乱する現代社会の人々の心を幅広く掴んでいく様は、アメリカのトランプ氏や、イギリスのEU離脱派を率いたジョンソン氏の姿ともダブります。(日本のアベさんの演説はこれほど上手くなくて、とりあえず良かった!)
コメディ映画ですが、単純なコメディとはいえない、「笑えるが笑い事じゃない」((DIE ZEUT)、混迷する現代社会の実相を鋭く描き出し、私たちに問題を投げかける、一見の価値ある映画です。(三女)
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〔覚書〕・・・「TOHOシネマ」サイトの地図がわかり難くいつも迷うので。
☆地下鉄「日比谷」駅A5出口から地上に上がると、正面に「シャンテ」ビルがありますが、そこではなくそのビルの前の細い道をロータリー沿いに左に回りこんだところにTOHOシネマズシャンテはあります!