4月30日、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ボッティチェリとルネッサンス展」を見てきました。
豊かさを誇るイタリア・ルネッサンス時代。ボッティチェリは、メディチ家の絶大な信頼を得て、華やかさで優美な作品を次々に生み出します。描かれている題材は聖書の世界だけれど、実はもうひとつのテーマは「富=お金」。今回は、豊かさを謳歌する金融業・商業の人々が求める「美」と、「贅沢」を苦々しく思うローマ法王庁が度々出した「ぜいたく禁止令」の拮抗する力のせめぎあいが、ボッティチェリらルネッサンスの画家たちの作品にも微妙に影響を与えていたことを示す展示になっていました。
それにしても、ボッティチェリの描く「聖母子」のバランスがよく、美しく、本当に素敵。背景に描かれている糸杉やバラや白百合に込められた宗教上の意味もあいまって、華やかで、繊細で、聡明さを併せ持つボッティチェリという画家が、時代の寵児となったのも頷けます。
連休の間の平日のせいか、それ程混んでいなくて、展示作品はそれ程多くありませんが、ルネッサンスという時代の面白さや、ボッティチェリの魅力を十分味わうことができました。(三女)