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三菱一号館美術館で開催中の「クラコレ・奇跡のクラーク・コレクション-ルノワールとフランス絵画の傑作-」を夫と見に行って来ました。
クラーク美術館というのは米国マサチューセッツ州ウィリアムズタウンにある『ルネサンス時代から19世紀末までの欧米の傑作を幅広く擁する美術館』(HPより)だそうですが、今回の美術展には、この美術館のコレクションの中から私達にも馴染み深いルノワール、コロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネなど、フランスの代表的な印象派の作品73点が展示されています。
展示作品の中では、サブタイトルにもあるように、まずはルノワールのふっくらとした美しい女性像の数々が目を引きます。例えば「かぎ針編みをする少女」(1875年)のように、その表情は穏やかで満ち足りていて、見ている私達に安心感を与えてくれます。静物画も同様で、「シャクヤク」(1880年ごろ)の豊で落ち着いた安定感は、まさにルノワール作品そのものという印象でした。
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私にとっては最も馴染み深いモネの作品もいくつか出ていました。その中で懐かしさという意味で心惹かれたのはジヴェルニーの風景だったのですが、残念ながらその絵の絵葉書はありませんでした。なので、今回は「小川のガチョウ」(1874年)をご紹介。木漏れ日を受けて繊細な光を描く水の表情や温かく淡い色調はやはりモネそのものです。
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その他ミレーの田園風景やなつかしのロートレック、ピサロの絵なども印象的でしたが、ドガの「稽古場の踊り子達」(1880年頃)は、なぜか複写絵がSV家の廊下に飾ってあった記憶があり、懐かしさを覚えました。
冷たい北風の中の外出だったし、印象派というお馴染みの美術展でどうかな?と思っていましたが、このところ風邪をひいたりチャトラちゃんの最期を看取ったり、その他諸々で何だか鬱々とした気分だったのが、不思議なことに見事に晴れました。これぞ芸術の力というか、この展示会のキャッチコピー「人生を、美しく生きる幸せ」という言葉は、あながちウソではないみたい。(三女)
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