
昨日は日比谷野音。5時についてまだ明るいなか、セミの声を聴きながら家から持ってきた冷えたビールをいただく。開演は5:30今日は渡辺貞夫と山下洋輔の多分四十数年ぶりの共演となるだろうコンサート「真夏の夜のJAZZ~渡辺貞夫・山下洋輔 夢の競演」で、さてどちらが先の登場でしょう。
本田珠也ドラムスと坂井紅介ベースがまず現れて得意の白いパンツの山下洋輔登場。
1部
1
トリオで最初からかなりのテンションをあげているけれど野音の難しさ、私の位置だとピアノの届き方がちょっと低い、ベース・ソロはよく聞こえます。そんなこと以上に野音の魔術、聴く方のテンションがなんだかのまれていくような不思議な感覚です。
2 ブルキナ
2曲目で数日前にNYから帰った寺久保エレナが登場で彼女の新作のタイトル曲ブルキナというそうですがアフリカでの印象だそうです。エモーショナルなアルトはかなりフリーっぽく始めてモーダルな展開、随分のぶとくなったなという驚きがきました。洋輔は完全に
ぶったたきパターンで対応、太田のド派手なドラム・ソロがいい。渡辺貞夫がステージ裾に覗きに来ました。
3 大きな古時計
寺久保が退場し、かわりに菊池成孔が登場、ソロでアルバート・アイラーのように吹き始めたのは❝大きなのっぽの古時計”CDはあまり好きでなく、だからほとんど聞いてないけれどこれほとんどアイラーじゃない。
でもうまい、良く吼えている。見直したというのが印象か。この曲の洋輔のソロっていうのも聞きものです。
4 スパイダー
寺久保が再び加わって、2アルト、菊池からでこちらも流れがあって良い、エレナのほうはパーカーのフレーズなんかも入れてやはりバッパーの感じ、ヘリが上空を飛ぶという野音のお決まりもまた楽しい。
5
これも山下の曲だけれど題名は知らない。ここで1部終了。
15分の休憩時間にチューハイを買ったりトイレで顔をあらったりして、こんなのも野音だからかな。
2部
1
6時50分渡辺貞夫はメンバー全員で登場、ドラムスは同じ本田でパーカッションはンジャンセ・ニャンという多分アフリカの人、コモブチ・キイチロウはエレベ養父貴という知らないギタリストと塩谷哲がキーボードというこの前よりかフュージョン色が強い始まりです。ある十痕はギターがフュージョンソロ、そのあとパーッカションがドラムスと重なったワールドな広がりです。
2
もちろん聞いたことのある曲だけれど名前はしらない。夕暮れの空を見上げながら聴くナベサダこんな贅沢なかなかありません。
3 サンゴマ
静かなほのぼのとしたアルトからインリズム、今夜はアフリカンなナベサダ。
4
メローなバラッドに入ったところでメローすぎて雨がぱらついてきた。演奏はすごくいいとこになってこんなもんだ。
キースの時の大雨を思い出す。(実はこの後の大変な状況を予想していない。)
5 ワーム・デエーズ・アヘッド
状況とは別にアルトが熱を帯びてくる。塩谷のピアノ・ソロが良いと思っていると稲妻と雷鳴。
6
貞夫が神様に祈りましょうかと言って始まった曲はパーカッションがアフリカの言葉で歌う曲。雨乞いの歌じゃないだろうななどとくだらないことを思っているけれど、手拍子も入って雨に負けない野音。
7 フェリシダージ
ここから雨足は激しいというかすごくなってきて避難する人が多くなったけれど私は戻らない。雨なんか気にしないで踊っている娘もいます。舞台もちょっと落ち着かない。
8
スタンダードだろうけれど雨の勢いがますます激しくなって滝のよう、ここで2部終了のようですが7時35分ぐらいでしょうか、時計も見ることができません。ここでこのコンサートの終了のアナウス。
渡辺貞夫がアンコール演らないわけにいかないでしょうといって、山下バンドの人も全員呼び出しました。滝のような雨の中アルト3人のそろ廻し、これから逆境の演奏になっていくのかとおもったその時、ステージの演奏を切り裂くすごいカミナリの落ちる音、ここでオクサンもこれはダメと席を立ち移動、トイレの前にいったところでコンサート終了でした。
確かに同じステージに渡辺貞夫と山下洋輔が立っていたのですから共演だったのですが、見ることも聴くこともほとんど出来ない、幻の共演になってしまいました。
渡辺貞夫も予定曲は演奏したみたいだったので、それから共演を40分ぐらい演る予定だったのでしょう、予定よりか45分ぐらい早くに終わって、びしょびしょの体で(プールに飛び込んだのと同じ状態)千代田線に乗ってしまいました。
記事としてはうれしいような、記憶から消えないコンサートになりました。