
図書館に予約して8か月ぐらいまったでしょうか、やっと届いて読み始めました。
これが面白いというか、素晴らしいルポでチャプター4“遺族”では思わず嗚咽が出てしまいました。
国際的に屍の配送を行う仕事死の話だけれど、チャプター2“取材の発端”にこの本には何が描かれているのか書いてある。
人は死んだらどうやって故郷にと帰るのか。どんな人がどんな思いで運んでいるのか。国境を越えた地で亡くなると、家族はどんな想いを抱くのか。それをこれから記していこうと思う。
この取材を通して私が見つけたには、人が亡くなることの普遍的な悲しみと、我々の心の奥深くに根づいている、日本人とての「死」の捉え方であった。
ルポだからネタバレもないけれど、“遺族”の切なさはとても悲しい。
「死亡した原因もみんな違うんだよ。マニュアルに従っていても人の気持ちはわからないよ。遺族ってね、みんな違うんだ。顔色を見て、何が必要なのか、どんな気持ちなのか、って推し量ることができなきゃだめなんだよ。本当に困っている人がどんなことを望んでいるかなんて誰にもわからない。だからこそ気がきく人間じゃなきゃだめなんだ」
もう一つ抜き書き
親を失うと過去を失う。
配偶者を失うと現在を失う。
子を失うと未来を失う。
ちょっとどぎつかったかな、魂を帰りたい場所に送り届けるために戦っている人々がいます。