ビル・エヴァンスの発掘盤が出てしばらくたつけれど、凄いと思うのだけれどどうもそれだけではと記事にするのに時間がかかってしまいました。
発売が予告された段階でこれは買わなければと思うのは永いジャズ・ファンならばかなりの確率だろう。幾つかの発掘盤がでているけれど、いくつかはとてもよかったし、今回も内容を思えばかなりの期待盤ということになるし、それを裏切らないものであったのは確かだろう。
2枚組、あのモントルーの5日後のスタジオ録音と言うことが大半な存在に思える。
もちろん当時のビル・エバンスを聞くということになるので、劇的な違いがあるわけではないので驚いたということにはならない。知らなかったポートレートを発見してうれしくなるというのが感じだろう。
つい最近販売されたパット・メセニーのスタジオ・録音はライブを積み重ねた後の記録でそのクオリティーに驚いたわけだけれど、こちらのトリオはまだそれほど練りあがったトリオ状態でない。エディー・ゴメスがこの2年前からのコンビだけれどデジョネットはモントルーからで、ゴメスのこの後をかんがえればまだ始まりのころの演奏となる。
その意味このスタジオ・録音のすべての曲がリハを繰り返した後のものとおもえない。
実際幾つかの曲で、ゴメスのラインをエバンスが嫌ったのではとおもえるところを感じました。演奏の完成度ばらつきがこの2枚組にあるようにかんじたのが幾度か聞いてきた結果で、それで強烈なファンには怒られるかもしれないけれど、この2枚組の私流聞き方を決めました。
それで聞くと、録音当時こうやってリリースされていれば、かなりの評判というか名盤レベルに達していたのではないかと思う感じになった気がします。
特にどうするというと言うことではありませんが、2枚組から曲を選んでそれを並べて聞くということだけです。
で私のえらんだもの、まずデスク2から1、3、8を並べます。
そのあとデスク1から3,4,5それに7と10曲目を並べます。
そうするとデスク1の素晴らしい流れ、特に4曲目の“I'll Remember April”のとてもバランスのとれた演奏がしっかりとした位置について、短くなってしまうけれどオオッとおもうエバンスのアルバムになるように感じます。
Some Other Time: The Lost Session From The Black Forest / Bill Evans
Bill Evans(p)
Eddie Gometz(b)
Jack Dejohnette(ds
CD1
1.You Go Right To My Head
2.Very Early
3.What Kind Of Fool Am I?
4.I'll Remember April
5.My Funny Valentine
6.Baubles,Bangles and Beads (duo)
7.Turn Out The Stars
8.It Could Happen To You
9.In A Sentimental Mood
10.These Foolish Things
11.Some Other Time
CD2
1.You're Gonna Hear From Me
2.Walking Up
3.Baubles, Bangles and Beads (trio)
4.It's Alright With Me (Incomplete)
5.What Kind Of Fool Am I?
6.How About You
7.On Green Dolphin Street
8.I Wonder Why
9.Lover Man (Oh Where Can You Be?)
10.You're Gonna Hear From Me (Alt Take)