

病院に入るので軽く読めるものをいくつか持って行こうとして買った2冊の文庫の内の1冊、600ページ以上あるから、ずいぶん前に退院をしているけどやっと読み終わりました。もう一冊は小文集なのであわてて読む必要はない。
本の紹介で読んで“これは、復讐ではない。正義のための報復だ。”という感じは好みだと思って選びました。ドン・ウインズロウという人ははじめてだけれど、「犬の力」という麻薬カルテルと捜査官との対決の話が評判が良いし、続編の「カルテル」というのが出るそうでこれを読むか決めるのも目的です。
こちらはテロによって愛する妻子を失った元デルタフォースの隊員がテロリストへの報復を行うという話で、考えてみれば単純な話ではあった。
細かいプロット割でこれは読みやすいと読み進むと、戦闘場面がえらくながかったりして、テロリストもそれほど強烈でもない。テロリストが登場するかなりの本をよんでいるけれど、最初のテロを実行できるほど強そうでないのが残念、いかに報復したかの本でした。麻薬カルテルの方が向いているかもしれないけれど、さてどうしたものか。
デヴィッドと言うのが主人公だけどちょっとだけ抜き書き。
「要はね、世の中には善人と悪人がいて、わたしは自分たちが善人だといまでも信じているの。気取った言い方になったけれど、”あいつらを叩きのめして、デヴィッド”という意味よ」
「了解」
「どこまでも信頼しているわ」
ドノヴァンがディヴにグラスを渡してスコッチを注ぎ、自分のグラスと縁を合わせる。「善人に」ドノヴァンは言う。