エンリコ・ピエラヌンツィのアルバムは契約の関係か結構いろいろなところから出るようになって、そして多彩な人だから内容もいろいろなので、すぐに飛びつかなくなった。ドビッシーはどうしようか、ワインはいいかもと思っていたら、ベースのトマス・フォネスベクとのデュオが出た。好みとしてはこれが一番かなと、助走をしていたから即注文でした。
トマス・フォネスベクは彼自身のアルバムとヤンソンのアルバムで好きなベーシスト。この人N・ペデルセンの弟子でその奏法を継承してくれているから楽しい。たぶんそういう演奏だから、ピエラヌンツィがどう対応するかがこのアルバムの楽しみです。
1曲目、“Everything I Love ”をピアノだまずはハーモニーはこんな感じで行くぜと言ってからインリズム、ベースが入ってエバンスとラファロの雰囲気、一気にJAZZの霧に包まれる感じです。
2曲目ピエラヌンツィの格調ある曲、全10曲中7曲がピエラヌンツィの曲なのはトマスが先輩を立ててのことでしょうが、こと演奏では実にトマスが自在なソロとバックアップをみせるので、これは両者、目を離せない。
フェス中のコペンハーゲンのレストラン(ジャケのところか)での演奏、こうゆうのをお得というのだろうな。
4曲目“Molto ancora ”でちょっとヒートをおさめて、この間にお料理いただけたかな。でも5曲目“All the Things You Are”になれば再び二人にくぎ付け、トマス・フォネスベクの次の曲での「yes!」ってお客の叫びも、私もやっているだろう感じです。
このような演奏になるだろう想定の通りにだけれど、エバンスの流れだとかペデルセンの流れだとかが最近の録音から味わえて、jazzの筋道を正されたような、レストランで背筋が伸びたような感じです。
BLUE WALTZ / ENRICO PIERANUNZI THOMAS FONNESBEK
Enrico Pieranunzi (p)
Thomas Fonnesbaek (b)
1. Everything I Love
2. Blue Waltz
3. Come Rose dai Muri
4. Molto ancora [per Luca Flores]
5. All the Things You Are
6. First Impression Last
7. Miradas
8. Si peu de temps
9. Tales from the unexpected
10. WIMP