
前からちょっと気になっていたアルバムがショップにあったので買ってきた。nonokoレコードという吉田野乃子さんが自分で作った会社からのアルバムです。
JAZZを永く聞いてききたからかもしれないけれど、オオッと驚くアルバムには年に2,3しか会わない。今年はコルトレーンで一度驚いているけれど、こっちの方がもう少し大きな声で驚いた。
フリーに分類されるのかもしれないけれど、フリーでもこんな音作り初めてじゃないか。
北海道の地で独自に育っていたのでしょう。
1曲目、ピアノとアルトの音階スケールにエレベが入ってくるとあるとはフリーキーなフレーズに展開していく。エレベはそれでも柔らかなコードをくりかえして、テンポ・アップでスパニシュなテーマにコルトレーンやアイラーみたいなトーンでアルトが吠えるけれどこれがスタイリシュ。オクサンはうるさいと止めるだろうけれど、こんなにノリのいいフリーは初めてです。
2曲目、もスタイリシュなリズムに始まると、エレベは深海にいるような響きをつくって、ピアノの方はバップ、現代のバップはこうなるだろうと思ってしまいます。
5曲目、歌い上げるようなアルトと基調となるテンポを維持するピアノ、それらを覆うような距離をおいた空間のエレベ、それぞれ違った方向へ向いているようで、これが実うまい具合に場面を展開させていく。
8曲目、エレベのオーバー・ダブのソロから、なんか懐かしい雰囲気にやはり歌い上げのサックスとある部分では定型のピアノ。
北海道のこの3人には驚いた。


ただ心配するとすると3人の役割が決まっていてサウンドが完成しているので、これ変わって行くのだろうか。次も同じではまずい気もする。ただしこの1枚をとってみれば、これは凄いアルバムができたものです。
目ヲ閉ジテ 見ル映画 / トリオ深海ノ窓
吉田野乃子 (sax)
富樫範子 (p)
トタニハジメ (b)
2017年9月録音
1. 流転
2. Traffic Jam
3. 空ヲ知ル
4. Polka Dot & Paisley
5. さくら
6. Ring ~ Blue ~
7. Ring ~ Red ~
8. Water Drops
9. 碧の人魚
10. Non Rem Sleep