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アントニオ・ファラオの新作がでました。「Evan」と「Demi」という二人の息子に捧げた近2作は二つともお薦めでした。というかこの人の場合かなりの確率でお薦め入りするプレーヤーです。内省的だった「Domi」にアメリカン・カルテットと名付けた「Evan」での方法が定まったのでしょうか、今回はヴァーヴからのアルバムです。
1曲目、ショーターライクなテナーのカルテット演奏はマイルスのモードを思わせるサウンドの感じです。
アメリカン・カルテットと名付けた前作は、アイラ・コールマン、デジョネット、ロヴァーノというアメリカンでのサウンドつくりでしたが、今回のメンバ―は古くからのイタリアのメンバーです。ところがヴァーヴだからでしょうか、サウンドはというと、あのジェ-ムス・ファームのカルテットを思い出させる演奏です。
2曲目がトニー・ウイリアムスの曲、3曲目がハンコックの“MAIDEN VOYAGE”ですから、このアルバムサウンドを統一しているように思います。
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ジャズのフレーズにたいしシンプルにインプロをして曲全体を作り上げると言う感じに、農場に集まって?シンプルにフレーズを見つめたJAMES FARMを思い浮かべるわけですが、こちらはイタリアの新しい農場です。
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どうですか、雰囲気とれも似ていませんか、ちなみにサウンドを聴いていただけるともっと面白いと思います。
一つの曲の中でいかに全体の曲と合わせてインプロするかが伝わるのです。
JAMES FARMを聞いた後では、ピアノ以外はちょっとまだ(いやアーロンはすごい)とも思いますが、その心意気は伝わります。
この後の4曲はファラオの曲というのも意図があるような、1968年にはファンクなんて言葉がなかったでしょうが、4曲目“COOLFUNK...”となずけられた曲のでだしは「MILES IN THE SKY」みたい。
と言うことでハンコックを敬愛するファラオが、イタリアの牧場に仲間を集めて、ジャズをシンプルに見つめなおしたのでは思うアルバムです。
ファラオのピアノについては書いていないけれど、のびやかに、モーダルに次にちょうせんしている感じで、次は何するででしょうね。
BOUNDARIES / ANTONIO FARAO
Antonio Faraò | Piano
Mauro Negri | Ten. & Sop. Sax
Martin Gjakonovski | Double Bass
Mauro Negri | Drums
Luigi Di Nunzio | Alto Saxophone (on *)
1. BOUNDARIES (Antonio Faraò)
2. HAND JIVE (Tony Williams)
3. MAIDEN VOYAGE (Herbie Hancock)
4. COOLFUNK...* (Antonio Faraò)
5. MY SWEETEST (Antonio Faraò)
6. NOT EASY* (Antonio Faraò)
7. AROUND PHRYGIAN (Antonio Faraò)
このアルバムのサウンドそのものが,私の好みであり,これは非常に気に入ってしまいました。Antonio Faraoは全部聞いているわけではありませんが,概してレベルが高くて,裏切りませんね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。