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バイオリンの高橋ちさ子はTVのバラエティの方がうでは良いみたいだけれど、12人の女性バイオリニストを集めた楽団など企画力も旺盛だ。彼女がチェリストを集めて結成させたのが10人のチェロストからなるザ・スーパー・チェロスツ。ちさ子の出るTV番組にもよく出演するので見たことがあるかもしれない。
そのグループがアルバムを出したので買ってみた。このグループ曲弾きなどもするし舞台うけのところもあるけれど,アルバムはどうだろうか。
リーダー格にあたる古川展生TVではニコニコ人柄も良いが、実は最近はバッハの無伴奏チェロ組曲集のアルバムをリリースする実力者なのだ。持ているアルバムを並べてみた。
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「NOBUO FURUKAWA plays ASTOR PIAZZOLLA」
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「A SONG fOR YOU」
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「CROSSOVER」
最初のはピアソラの曲集、次がポップスの曲集、次がベストだけれど尾崎豊や陽水などの日本のポップも加えている。普通そのような演奏はちょっと馬鹿にされるかもしれないが、聴くと佐野レベルの高さにまったく不快感はない。日本の多くの人にチェロの魅力を伝えるにに大きく貢献してきた人と思う。
そして今回のアルバム、古川自身が前におしでることはない。チェリストって、仲間を大切にする傾向があって、メンバー全員の調和をとった演奏になっている。そして曲目をみると、なんとまあべな選曲であるか。リベルタンゴ、 G線上のアリア ウィリアム・テル序曲、 白鳥、チャルダーシュである。だからこれはCDの売り狙いのためのアルバムだったとは言えない。
もう少し高貴な意思があると思う。チェロ・アンサンブルの魅力はそれほどまでには浸透していないが、実に楽しく、美しい。(こちらも経験している)
まさにそれを多くの人に楽しく聞いてもらうがための選曲なのだろう。
そして、このアルバムの聴きどころは実は一人のチェリストにある。根場―の小林幸太郎である。1991年生まれの桐朋音大チェロの首席卒業者だ。
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これまでいくつかのコンサートで会ってきているが、チェロ・アンサンブルの編曲を多く手掛けてきた。今回このアルバムでも12曲のうち9曲を彼が編曲している。それをよしとするチェリストからの信頼があるからなのである。彼の編曲で聞いていると、書くパートのチェリストが実にうまく活躍の場所を得ている。チェリストにとって実に気持ちのよい展開なのである。
ということでべたではあるば、逆にこのチェロ・アンサンブルで編曲をあじわうのが、このアルバムの醍醐味だと思う。そこに注意を以って聞くとこれは、これよく作ってくれましたとチェリスト(?)は思う。
地味かもしれないけど幸太郎君、これからもがんばってね。
Super Cellists / The Super Cellists
■スーパーチェリスツ・メンバー
江口心一 Shinichi Eguchi
大宮理人 Yoshito Omiya
奥泉貴圭 Takayoshi Okuizumi
小林幸太郎 Kotaro Kobayashi
佐山裕樹 Yuki Sayama
中条誠一 Seiichi Nakajo西方正輝 Masateru Nishikata
西方正輝 Masateru Nishikata
古川展生 Nobuo Furukawa
森山涼介 Ryosuke Moriyama
山本大 Dai Yamamoto
1. リベルタンゴ(A.ピアソラ/小林幸太郎 編曲)
2. G線上のアリア(J.S.バッハ/小林幸太郎 編曲)
3. ウィリアム・テル序曲(G.ロッシーニ/W.トーマス=ミフネ 編曲)
4. 白鳥(C.サン=サーンス/小林幸太郎 編曲)
5. チャルダーシュ(V.モンティ/小林幸太郎 編曲)
6. 舞踏会の美女(L.アンダーソン/小林幸太郎 編曲)
7. ラ・クンパルシータ(G.M.ロドリゲス/小林幸太郎 編曲)
8. 「カルメン」組曲第1番〜前奏曲(G.ビゼー/小林幸太郎 編曲)
9. カルメン幻想曲(G.ビゼー/W.トーマス=ミフネ 編曲)
10. エレジー(古川展生/小林幸太郎 編曲)
11. 2年ぶりの春(西方正輝)
12. 鳥の歌(カタロニア民謡/P.カザルス〜小林幸太郎 編曲)
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