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闇に、美しい思い出 Last Recording / Albert Ayler vol.2

2009-08-16 20:41:59 | 聞いてますCDおすすめ


[LP]

アイラーの運命は、それこそ、ひどい方向に行ってしまいました。

ジョン・コルトレーンが亡くなった1967年、すぐ出した「Love Cry」というアルバムの選曲はまるでアイラーの曲をすべてコルトレーンに贈捧げるようなCRYに思えます。
そしてコルトレーンの葬式に参列したアイラーは“トルース・イズ・マーチング・イン”を演奏しましたが、それがこの1970年7月27日のフランス、マグー近代美術館で行われたコンサートで再び録音されました。
このアルバムの演奏を聴いて、それまでのアイラーからの感じ方を、すべてきれいに並べ替えて、初めて整然とた美しさがアイラーの本質のように残るのでした。
このアルバムが録音された4ヶ月後、1970年11月25日にアルバート・アイラーはイースト・リバーで水死体となって見つかるのです。
当時スパイラルを巻くよな感じで昇華するアルバート・アイラーは、まさか自殺などするわけがないと思い、何かのトラブルだと、とてもその運命を悲しんだものでした。
まるで天に通じているようなこの演奏をするミュージシャンが自殺などする必要があると思えません。
今でも、その死は謎のまま、深い闇が残りました。
その中でこの美しいアルバムが残りました。
4曲目、生活をともにするメリー・マリアとの共演は音楽的にも、そしてそれが心の問題としてもてても平安に感じるのです。
その平安と美しさがイースト・リバーの暗さと激しい落差をつくるので、深く不条理を感じたものでした。
そして30年近くもこのアルバムと離れていて、その美しい思い出が残り、とても聴きたいアルバムになっていたのでした。

Last Recording vol.2 / Albert Ayler

Mary Maria (ss, vo)
Albert Ayler (ts, ss)
Call Cobbs (p)
Steve Tintweiss (b)
Allen Blairman (d)

"St. Paul De Vence", Paris, France, July 27, 1970

1 Truth Is Marching In
2 Universal Message
3 Spiritual Reunion
4 Music Is The Healing Force Of The Universe


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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こちらからもTBさせて頂きます。 (中年音楽狂)
2011-11-29 21:34:46
monakaさん,こんばんは。TBありがとうございました。

私にとってのAylerとの出会いは随分と遅いものとなってしまいましたが,このアルバムは感動的なものだったと思います。特にmonakaさんが取り上げられているVol.2に相当するCD後半の4曲には深遠なものを感じてしまった私でした。

こんな音楽を聞くまで幾星霜も要したとはまさに情けないですが,でも聞けてよかったです。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
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うらやましい (monaka)
2011-11-29 22:42:10
音楽狂さん、TBありがとうございます。
今に新たに聞いていなかったすばらしいものに出会いえるとは、逆になかなかうらやましいです。
LPそんなに音が気にならなかったのは、アナログゆえのテナー主体だからでしょうか。
久しぶりに今度聞いてみます。
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