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[LP]
アイラーの運命は、それこそ、ひどい方向に行ってしまいました。
ジョン・コルトレーンが亡くなった1967年、すぐ出した「Love Cry」というアルバムの選曲はまるでアイラーの曲をすべてコルトレーンに贈捧げるようなCRYに思えます。
そしてコルトレーンの葬式に参列したアイラーは“トルース・イズ・マーチング・イン”を演奏しましたが、それがこの1970年7月27日のフランス、マグー近代美術館で行われたコンサートで再び録音されました。
このアルバムの演奏を聴いて、それまでのアイラーからの感じ方を、すべてきれいに並べ替えて、初めて整然とた美しさがアイラーの本質のように残るのでした。
このアルバムが録音された4ヶ月後、1970年11月25日にアルバート・アイラーはイースト・リバーで水死体となって見つかるのです。
当時スパイラルを巻くよな感じで昇華するアルバート・アイラーは、まさか自殺などするわけがないと思い、何かのトラブルだと、とてもその運命を悲しんだものでした。
まるで天に通じているようなこの演奏をするミュージシャンが自殺などする必要があると思えません。
今でも、その死は謎のまま、深い闇が残りました。
その中でこの美しいアルバムが残りました。
4曲目、生活をともにするメリー・マリアとの共演は音楽的にも、そしてそれが心の問題としてもてても平安に感じるのです。
その平安と美しさがイースト・リバーの暗さと激しい落差をつくるので、深く不条理を感じたものでした。
そして30年近くもこのアルバムと離れていて、その美しい思い出が残り、とても聴きたいアルバムになっていたのでした。
Last Recording vol.2 / Albert Ayler
Mary Maria (ss, vo)
Albert Ayler (ts, ss)
Call Cobbs (p)
Steve Tintweiss (b)
Allen Blairman (d)
"St. Paul De Vence", Paris, France, July 27, 1970
1 Truth Is Marching In
2 Universal Message
3 Spiritual Reunion
4 Music Is The Healing Force Of The Universe
私にとってのAylerとの出会いは随分と遅いものとなってしまいましたが,このアルバムは感動的なものだったと思います。特にmonakaさんが取り上げられているVol.2に相当するCD後半の4曲には深遠なものを感じてしまった私でした。
こんな音楽を聞くまで幾星霜も要したとはまさに情けないですが,でも聞けてよかったです。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
今に新たに聞いていなかったすばらしいものに出会いえるとは、逆になかなかうらやましいです。
LPそんなに音が気にならなかったのは、アナログゆえのテナー主体だからでしょうか。
久しぶりに今度聞いてみます。