いろいろな国のJAZZピアニストのアルバムを聞いていますが、メキシコの人のものはあったでしょうか。ちょっと記憶にありません。
JAZZで世界中を巡っていますので、メキシコに行かない訳にはいきません。
ということで、これは内容まるで解らずに、とにかくメキシコに行きます。
1曲目、出だし軽いリズムに大変美しいピアノの響き、なかなかと思って聞き始めてテーマが終わり、ここからアップ・テンポでピアノソロかなと思うと、出だしの感じで弾き続けます。
2曲目、リーダーはドラムスの人ですが、リーダーですが変わっている。あまりドラムを叩かない、パシャン、パシャンとブラシで軽く、そうするとピアノも弾かない、テーマがグィと前に来ないで左手の和音とゆったりした少ない音、これメキシコ・タイム?これが10分以上つづいて、変わった魅力です。
3曲目もはっきりしたメロディラインというより、ハーモニーと右手の残響を多く使った音の組み合わせ、そしてテンポもあまり変わらず、これでは飽きるはずですが、耳は音を聞き入って全く飽きない。
4曲目、ドラムスがドドドと始まるけどピアノは同じペース、それでは山がこないかというと、大きく山が動いている感じです。
6曲目、リリシズム溢れる、ちよっとアバンの入った抽象画のような曲でとても落ち着いた世界が広がります。
7曲目、沈んだようなピアノからリズムが入ると、これがめずらしくスウィンギー、この曲5曲目と2曲変わっているベースがいい、4ビートを刻みながらソロもなかなか良いラインです。
8曲目、最後の曲で、電気処理もいれて、最後の最後でアブストラクトな展開、これが良い、ピアノの技量もあること解りました。
とても不思議な魅力があるアルバムで、ふつうだったら2,3回聴いてあるポジションに収まるのに、このアルバム3日ぐらい聴き続けて、それで飽きたかというと、まだ不思議に思ているのです。
メキシコは行く前のイメージとは違って、なんとも不思議な世界だったのです。
TEXTURAS / Adrian Oropeza
ADRIAN OROPEZA(ds)
OMAR ANGUIANO(b)
ENRIQUE NERY(p)
AGUSTIN BERNAL (b) 5,7
1 Cantando en la ciudad
2 Caminante del Mayab
3 Oncena
4 Renaciendo
5 Templanza
6 El pastor
7 Sone
8 Saguinita
2009年作品