JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

出会いの機会 Someday live in japan / Magnus Hjorth

2010-03-06 23:14:16 | 聞いてますCDおすすめ


スェーデン出身のピアニストで聴いたことない人一人いましたが、リズミカルな軽い感じかと、勝手に思い込んでスルーしていました。日本の方がレーベルを立ち上げてまで発売したというアルバムが良さそうなので入手しました。
YOKO YONEYAMAという方が、バークレー出のドラマー池永 一美さんに惚れて、そしてこのピアニストと組み合わせたいとレーベルまで立ち上げて作ってしまったアルバム、日本のNARU,Shoto Salon,Jesse Jamesの3ヶ所でのライブ・録音、このようなものが悪いはずありません。
こうやって新しいピアニストと出会って行くのですね、なんと1983年生まれの27才です。
1曲目、奏者の心が直接届くスタート、そしてまるでピアノの近くで鍵盤を見ているような雰囲気、息づかいまで伝わります。
2曲目、ピアノの音を大切にしたフレージング、“Someday my prince”が初々しく、新鮮に伝わります。
3曲目、いかにも始めて組んだドラムスと探り合うように始まる楽しい演奏、発音が潔くて気持ちが良い。
4曲目、スタンダードをまるでオリジナル曲の雰囲気にまで持ち込んでしまう構成、上手い。
これなら、オリジナルか、新しいフェバリットも演って欲しくなります。
ベースのラインが最後まで生き生きとしています。
5曲目“MILESTONES”をどう料理するか楽しみでしたが、ピアノがホーンライク、ちょっとサックスのフレーズみたいで面白い。
ベースの4ビートが観客の拍手を誘うのもうなずけます。
6曲目、充分にユーモラスなイントロから、“A Train”になだれ込むところはとても楽しく、重厚なハーモニーとピアノの輝きは、ミンガス・バンドで弾くジャッキー・バイアードを思い出しました。
その後の最後の7曲目、上手い、ピアノ全体を鳴らしてながらも、シングルトーンのタッチは静かに聴かして、変な言い方ですが上手すぎる。
普通に聴いてヨーロッパの緊迫したピアノ・トリオの演奏と思います。
ところがこれが日本のプロモーターなのでしょうか、リリースのためにレーベルを立ち上げて作ったアルバム、リスナーとして最大の敬意をはらいます。
8曲目ボーナスとしては“Someday”を祝福してもう一度、プロデューサーは私たちの出来ないわがままをかなえています。
このグループとピアノ、もっと曲を昇華させていきそうな予感がします。
その奥行きをこれからもっと身に着ける若さがあります。
5月には日本で演奏があり、コペンハーゲンで録音もあるみたい、次の出会いの機会もありそうです。

Someday live in japan / Magnus Hjorth

Magnus Hjorth(p)
Petter Eldh(b)
池長 一美 Kazumi Ikenaga(ds)

2009年6月26,27,28日 御茶ノ水 NARU, 渋谷 Shoto Salon, 立川 Jesse Jamesでのライヴ録音(ワンポイント録音)

1. EVERYTHING I LOVE
2. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
3. ASK ME NOW
4. AIN'T MISBEHAVEN?
5. MILESTONES
6. TAKE THE A TRAIN
7. BESS YOU IS MY WOMAN NO
8. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME(bonus track)
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悪霊の島 スティーヴン・キング著 白石朗訳

2010-03-05 20:48:14 | 


新聞かネットか、どこかでスティーヴン・キングの新刊「悪霊の島」をみて、案内を読んだら急読みたくなりました。
図書館に頼んだら、下巻が先に届いてしまい、上下順にお願いしなおしたらなんと一緒に届いてしまいました。
上巻539ページ、下巻471ページ、あわせて1020ページ、貸し出し期限に読みきれるでしょうか。

不慮の事故で身体と精神をいためたエドガーが、妻ともわかれ一人フロリダの小さな島に療養のために移ります。そこで・・・という話ですが、書き出しはこんな感じです。

絵の描き方(Ⅰ)
最初は無地の表面だ。紙やキャンバスである必要はないが、私見では白でなくてはならない。白と読んでいるのは、なんらかの言葉で表現するしかないからだが、真の名前は無だ。黒は光の不在だが、白は記憶の不在、思い出せないことの色である。 (白石朗訳)

こんなのが何ページも続くの・・というところで100ページを超えました。導入部解りづらくてどうしようと思いましたが、デュマ・キーという島に移って、絵を描く衝動に駆らるあたりで気がつきました。
エドガーは衝動的に描いた絵がダリのようだといわれて、ダリの画集を見る場面がありますが、そう、この小説自体が絵画を見るように読めばよいのです。
ダリの絵にちりばめられた小物と同じようにこの小説には饒舌なほどにちりばめられた、“怒り抑制人形”“貝殻”“ハングリーマンのフライドチキン”などそれを1つ1つ眺めるもよし、全体を見ながら次にどんどん進むもよし、そう感じたら急に楽になりました。
それからはホラーというより、破壊された自分と世界との再生ストーリー、これがキング独特の幅広表現で結構おもしろい、このままこれで終わっても言いやといういい話です。
が、通産840ページを超える所からチャンネルを変えるように急にホラーになって、オイオイという間に再生を破壊して、ラストになだれ込みます。
がらりと変わる変化は、スティーヴン・キング自分のふり幅の広さを充分意識して、私的には2度おいしいと言う感じです。
アメリカ作家協会が選定するブラム・ストーカー賞の2008年度最優秀長編賞を受賞したそうでありますが、そこまでとは、デモデモなんと図書貸し出し期限1日前13日で読みきったんですから、ぐいぐいと読ませるのは事実です。
読み終わって2冊をあわせた表紙をみると、沢山のアイテムが書き込まれているのが、うれしくなります。

返しついでに文庫になって発売されているミステリーがハードカバーで上巻だけあって、読むかどうかちょっと試そうとカウンターにもっていたら、前に予約していた本が3冊も着ていて、一冊はもう少し預かってもらって、残り2冊のうち1冊を選んで、その後取り置きの文庫上巻に取り掛かることにしました。
ああ忙しい、申告も済んでないのに。

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一人が好き PIERRE LAPORTE

2010-03-04 21:06:01 | 聞いてますCDいいと思う


2009年6月にmixされたフランスのアルバム、このピアニストPierre Laporteの情報はまるで引っかかりません、ベースのFrancis Fautraiは幾つかのアルバムにエントリーされているのがわかりましたが、二人ともとにかく始めての人です。
3曲にベースが参加した形の基本的にはピアノ・ソロ集。
1曲目ゆっくり綴る内省的なメロディが、時々クラシカルな変奏曲のようになり、演奏で、ピアノのテクは充分でしょうと始まりました。
2曲目でベース参加で、このベース太くてリズムしっかり刻んでなかなか良いです。
この曲も内省的でピアノの感じとしてはバティスト・トロティニョンを思い浮かべる感じです。
3曲目はクラシックの小品を思わせる美しい曲
4曲目でスタンダード、こんなにゆっくりな内にこもったグリーン・ドルフィンははじめてですが、暗くはありません。
5曲目、ベースが4ビートを刻むと、これまでのクラシカルな内省的なピアノと思いきや、以外リズムにのって軽やかに歌います。
6曲目聴いたことがあるような、セルジュ・ゲンスブールの曲、日本の童謡みたいに聴こえるところもあり軽い感じが増しました。
アルバムタイトルは実は長くて「La seule incnne qui erpond a mes lettres」というもので、フランスで活躍するシンガー・ソングライター、ケレン・アンの曲“disparition”の歌詞の一部とまではたどり着きました。
「手紙でしか答えられないわ」という事でしょうか。
7曲目、ラグを少し入れてリズミカルな曲、このアルバム5曲目など聴いてリズミックなのでドラムスなどなぜ入れないのだろうと考えていました。
この曲を聴いていると、ベース音がそしてドラムスの僅かのタイミング音もピアノで表します。テンポとタイミングを自由に変えながら演奏していて、これリズムを刻み相手がいるより、すべて自分の調子で闊達に弾くのが好きなのかもしれません。自由に自分のテンポを変えながら進んでいくと、途中では曲が“ビリーズ・バウンズ”になったり、とても自由です。一人で自由にするのが好きなのかもしれません。
8曲目、クラシックの小品のように聴き始めると、マッカートニーのメロディがでて、この軽やかさがとてもいい。
出だし少し重たい感じでしたが、後半のリズムを上手く操り、歌うのがとても気持ちが良い。
最後は静かな小品でおわります。
それにしてもピアノの人知りません。

La seule inconnue qui repond a mes lettres / Pierre Laporte

Pierre Laporte piano
Francis Fautrai bass

1 pas loin de la
2 Puni Cagibo!
3 Derrere les choses
4 On Green Dolphin Street
5 ils s'offrent des roses
6 Dieu est unfumeur de havane
7 Lucky
8 From a window
9 L'affaire Melanie Simon
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春の香り再び JUBILEE / Louis van Dijk

2010-03-03 21:48:19 | 聞いてますCDいいと思う


ルイス・ヴァン・ダイクがお気に入りだから、知らないアルバムがあるとつい聴いてみたくなります。
このアルバム2001年9月の録音二つのリズムじんの演奏が交互に収められていますがどちらも方の張らないスタンダード、一つはM&Iの「バラード・イン・ブルー」のリズム、もう一つはもすこ馴染み深いメンバーで、ゲストとして2曲トロンボーンのBart van Lierが入ります。
1曲目“煙が目にしみる”から2曲目“イエスタディーズ”と二つのグループの差は大きく感じませんが後のほうがリラックスどが強い感じです。
3曲目“My One And Only Love”ジョニー・ハートマンも思い出す緩やかなタッチ、いつものちょっとアカデミックなヴァン・ダイクよりリラックスした演奏は、ちょっととまどいますが、これもオランダの国内盤としてはいいのでしょう。
4曲目でトロンボーンのBart van Lierが柔らかい音色で、グループ・サウンドのJAZZの楽しさを伝えてくれる演奏です。
5曲目、“I Want To Be Happy”軽く弾くピアノのフレーズは、軽やかでありながら、フャフャしていない、宙に舞う透かしいりの和紙のように模様がしっかり見えるのです。
6曲目、そうしているとヴァン・ダイクはピアノを弾いているにも関わらず、私の横にきて親しく話しかけてくるような余裕、聴くものへの優しさを感じます。
7曲目“In The Wee Small Hours Of The Morning”ハクエイ・キムも時々演奏するとても優しい気持ちになる曲、それをダイクもとても優しく弾きます。
9曲目、並んでいるスタンダードを変に形崩さずにストレートのジャズするのは、やはり実力明白だからでしょう。
11曲目、アームストロングで有名なの曲をという事で、先日初めて上手くはまったとスウェーデンのピアノストをかきましたが、これも軽やかで素敵でした。


ルイス・ヴァン・ダイクのアルバムとして特出した色合いるとは思いませんが、そこは彼のすばらしいところで、スーとスタンダードを仲間と演奏したようで、とても素敵な色香を残していくのです。
知らないうちにとか、気がつかないうちにヴァン・ダイク大好きという人が多いのです。
そんな人が、何の気なしに選んでますと言うアルバムです。

何の気なしではありませんが、先日鉢植えした沈丁花が開きました。外においてあったの、玄関先に持ち込みました。



大好きな沈丁花の香りが(実はフッと春先に感じるのがすきなのですが。)これは結構ドアを開けると漂って、自分で獲得した春の香り、言えばヴァン・ダイクのピアノのように香るのです。

JUBILEE / Louis van Dijk

Louis Van Dijk (p)
Edwin Corzilius (b)
Ruud Jacobs (b)
Frits Landesbergen(ds)
John Engels (ds)
Jeroen de Rijk (per)
Bart van Lier (tb)


1 Smoke Gets In Your Eyes
2 Yesterdays
3 My One And Only Love
4 Soon
5 I Want To Be Happy
6 Have You Met Miss Jones
7 In The Wee Small Hours Of The Morning
8 Home At Last
9 Love For Sale
10 Stars Fell On Alabama
11 What A Wonderful World
12 Blues For Pim
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春樹ワールド APNEA / Max De Aloe Bill Carrothers

2010-03-01 22:46:46 | 聞いてますCDいいと思う


昨年村上春樹の「1Q84」がありえないほどの売れ行きを示し、そんなに多くの人が春樹を楽しんだのだろうかと不思議に思うのだけど、今年の4月にはBOOK3が出るみたいで、去年みたいにはあわてたくないなと思っています。

世界的作家である村上春樹でありますから、ミュージシャンも読んでいて、イタリアのクロマチック・ハーモニカのMax De Aloeが村上春樹の小説に感化されてというアルバムを作りました。この人知りませんでしたが、トーツ・シールスマン以来の人と評価されているそうです。
アルバムはデュオで相手がピアノのビル・キャロザース、2人と春樹とても気になります。

せっかくですから、春樹の作品とこじつけながら、聴こうと思い、曲ごとに春樹の小説の章をお題にしようとしましたが、さすがにそれは出来ませんでした。
ですからこじつけ、勝手ながらCDを聴きながら春樹の小説をおもった、と言うことで書いてみます。『』で村上春樹の文を引用させていただきます。

1曲目揺らぐような風を感じならも、空気はよどんでるというようなハーモニカから、だんだんとそのよどみのなかに入っていく感じ。
私は「ねじまき鳥クロニクル」を思い浮かべました。題して“フェンスの内側の深い井戸”
『空き家の庭を囲んだ金網のフェンスの出入り口には、やはり金網で作られた戸が付いていた。』
『井戸は、この家屋に属するたの事物と同じように、かなり長い期間にわたって放棄され、見捨てられてしまっているようだ。ここには<圧倒的な無感覚>とでも呼びたくなるようなものが感じられた。』
『僕はもう一度身をかがめて、何も考えることなくその暗闇をただじっと見下ろしていた。こんなところに、こんな昼間に、こんな深い暗闇がある、と僕は思った。』

2曲目は“羊男の登場”2曲目目のタイトルはドルフィン・ダンス、それからすると「ダンス・ダンス・ダンス」のドルフィン・ホテルが関係するのかも知れませんが、そこにも登場する羊男を思い浮かべました。
『「中にはいっていいかな?」と羊男は横を向いたまま早口で僕に尋ねた。何かに腹を立てているようなしゃべり方だった。(羊をめぐる冒険)

3曲目で思い浮かべたのは「浜辺のカフカ」、そこて“カーネル・サンダース大佐の語り”
『「それでだ」とカーネル・サンダースは指を一本空中に立てていった。「ホシノちゃんの探しているのは、ひょとして硬くて丸いものじゃないのかな?」』

4曲目はキャロザースのピアノソロ、直子のテーマですから「ノルウェイの森」になります。とても、直子の心を思うような演奏です。

5曲目は村上春樹の作品ととして買って、ただ一つ読みきらずに終わらした作品、「アンダーグランド」のことでしょうか。
地下鉄サリン事件の当事者たちをおったノンフィクション、ですからこのアルバムの中でも一番重たく不安、これは短くてよかった。

6曲目、ソロから始まるピアノが凄い展開です。曲名が“Haruki Plays The Words”ですが、こちらは作品が思い浮かびません。ピアノ・ソロの部分のパーフォマンスとして、今年指折りにはいる演奏だと思います。

7曲目はH・マンシーニのディア・ハート、次の曲と続いて「ノルウェイの森」からです。
そのディアハートはどのようかというと
『クリスマスに僕は直子に大すきな「ディア・ハート」の入ったヘンリー・マンシーニのレコードを買ってプレゼントした。僕が自分で包装して赤いリボンをかけた。』

8曲目もはまさに「ノルウェイの森」だけど、ストリーからも簡単にビートルズではありません。
ハーモニカの音は凄い力があり、尚且つピアノ凄いのアルバムの重さが増します。

9曲目は、キャロザースの曲が落ち着いていて、しっかりとした小説を読んでいるよう、私は「浜辺のカフカ」を思い浮かべました。“カフカの浜辺にいたる森”

10曲目は、春樹の出発点みたいなジェイズ・バーのカウンターにいるように、でも題は“主のいないジェイズ・バー”(1973年びピンボール)
ジェイズ・バーにいた、私と鼠、ジェイそして、その後に現れる裏表の影たち。

11曲目、ゴッド・ファザーのテーマから始まりますが、それには新作「1Q84」“2つの月に照らされている”という世界。
貴女は月が一つにみえていますいか?・・・・

12曲目「ノルウェイの森」の直子のテーマに戻りますが、これはテーマを演奏して終わりでせす。

久しぶりに村上春樹の古いものまで見直しました。


APNEA / Max De Aloe Bill Carrothers

Max De Aloe(chromatic hca)
Bill Carrothers(p)

1. Lontano, Infinitamente Lontano
2. Dolphin Hotel
3. A Sort Of Dance
4. Naoko's Theme
5. Underground
6. Haruki Plays The Words
7. Dear Heart
8. Norwegian Wood
9. Araby
10. Pack
11. Vito
12. Naoko's Theme
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