二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「闊歩する漱石」丸谷才一著(講談社文庫)

2014年05月25日 | エッセイ(国内)
今日はヒマなので、書評を一本書いておこう。 丸谷才一さんの「闊歩する漱石」。本屋で「文学のレッスン」を立ち読みしていたら、おもしろかったので、そのまま買って帰った。それがきっかけで丸谷さんの著書を7-8冊買って、そのうち何冊かを読みおえた。アマゾンを参照すると、まだかなりたくさんの本が売られている。お亡くなりになったのは、2012年10月。 文芸雑誌で「巨星墜つ」みたいな論調の追悼エッセイを見かけ . . . 本文を読む
コメント

写真を撮る人(ポエムNO.2-36)

2014年05月25日 | 俳句・短歌・詩集
その意味はことばで問えば失われてしまうだろう。 だから見つめるだけ。 考えず 感じるだけ。 そんなにも曖昧で 毀れやすい 一瞬の光景をとらえるために フォトグラファーはいのちを削る。 途方に暮れたようにたたずんでいたかと思うと 走るように歩いていく。 彼の右手には小さなカメラが握られている。 視線が到達する その一歩先にあるイメージに向かって 彼の指が動く。 ・・・動く。 写真には愛情か・・・ . . . 本文を読む
コメント

バラが咲きバラが散る(ポエムNO.2-35)

2014年05月25日 | 俳句・短歌・詩集
バラが咲きバラが散る。 通勤途上の道端で あの人の瞳の奥で。 いやおうなしに時間の波間をはこばれていく。 子どもたちの甲高い声が聞こえる。 もうとっくに黄ばんでしまったキャンバスの中で あの人はいつまでも微笑んでいる。 モナリザなんかには少しも似ていないけれど ぼくはいつだって あの日の可愛い笑顔を思い出すことができる。 夢のようだね。 夢のようさ。 痛かったね。 痛かったさ。 あのときの数百万 . . . 本文を読む
コメント