二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「定本山之口獏詩集」が安かった

2020年08月25日 | 俳句・短歌・詩集
原書房の「定本山之口獏詩集」が、無名の遺稿集などと同じ200円+税のコーナーに置いてあった。 元値段は1300円。 手に入れてうれしいというより、悲しくなる、その凋落ぶり。 欲しがる人だれもいない? それとも単なる無知の仕業?  古本がどんどん値下がりしてゆくので、既存の古書店が消えネットオンリーとなるのだろう。 日本人は本を読まなくなった、驚くほど(=_=) 海外でも同じなのかしら? . . . 本文を読む
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「風の説」その他の詩 ~大岡信小論(3)

2020年08月25日 | 俳句・短歌・詩集
   (「悲歌と祝祷」大岡信 箱から出した詩集本体表紙) ―承 前― 《風のゆらぐにつれ 陽は裏返つて野に溢れ 人は一瞬千里眼をもつ。》 イメージの拡がりが、読者を広々とした野原へつれ出す。ここを読んでいると、もしかしたら「祷」の注釈なのか・・・と思われてくる。ことばのつながり、連想の展開の仕方が、音楽が弾んでいるように美しい 《このいとしい風めが。 嘘つきのひろびろの胸めが。》 歌 . . . 本文を読む
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「風の説」その他の詩 ~大岡信小論 (2)

2020年08月25日 | 俳句・短歌・詩集
   (「悲歌と祝祷」青土社 1800円 箱入) ◆詩集「悲歌と祝祷」(青土社 1976年刊)を読み返す 大岡信(おおおかまこと)1931(昭和6)~2017年(平成29)は詩人、評論家である。芸大の教授や、日本ペンクラブの会長もつとめた。 お亡くなりになったと聞いたとき、追悼文を書こうとかんがえ、準備しはじめたが、文案がまとまらず、投げ出してしまった。 岩波文庫の「日本の詩歌」が予想以上 . . . 本文を読む
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