原書房の「定本山之口獏詩集」が、無名の遺稿集などと同じ200円+税のコーナーに置いてあった。
元値段は1300円。
手に入れてうれしいというより、悲しくなる、その凋落ぶり。
欲しがる人だれもいない? それとも単なる無知の仕業?
古本がどんどん値下がりしてゆくので、既存の古書店が消えネットオンリーとなるのだろう。
日本人は本を読まなくなった、驚くほど(=_=)
海外でも同じなのかしら? . . . 本文を読む
(「悲歌と祝祷」大岡信 箱から出した詩集本体表紙)
―承 前―
《風のゆらぐにつれ
陽は裏返つて野に溢れ
人は一瞬千里眼をもつ。》
イメージの拡がりが、読者を広々とした野原へつれ出す。ここを読んでいると、もしかしたら「祷」の注釈なのか・・・と思われてくる。ことばのつながり、連想の展開の仕方が、音楽が弾んでいるように美しい
《このいとしい風めが。
嘘つきのひろびろの胸めが。》
歌 . . . 本文を読む
(「悲歌と祝祷」青土社 1800円 箱入)
◆詩集「悲歌と祝祷」(青土社 1976年刊)を読み返す
大岡信(おおおかまこと)1931(昭和6)~2017年(平成29)は詩人、評論家である。芸大の教授や、日本ペンクラブの会長もつとめた。
お亡くなりになったと聞いたとき、追悼文を書こうとかんがえ、準備しはじめたが、文案がまとまらず、投げ出してしまった。
岩波文庫の「日本の詩歌」が予想以上 . . . 本文を読む