二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

過去からの手紙 2021-13(8月20日)

2021年08月21日 | 俳句・短歌・詩集
   (群馬県下仁田市にて)


リビングのソファーに寝そべっているとき
たまたま手にした本を読むとき
昔親しかった女友達をなつかしむとき
キッチンでスパゲティをゆでているとき
何者かがすうっと横を通り過ぎる その気配。

幽霊のようなものではなく
野菜のようなものでもない。
あえていえば
・・・あえていえば
過去からの手紙のようなもの。

封を切って読んだもの
封を切らずにそのまましまいなくしたもの。
ことばは記憶の別名かもしれないが
ちょこまか走りまわる リス
いや子ネズミに似ている。

生きて動き回っている
過去からの手紙 のようなもの。
ああ こんにちは
お久しぶりじゃありませんか。
友人たちの床屋政談にはあきあきしていて

ふらりと外へ出て
プランタの植物に水をやっていた方がましだなあ
と思ったりしている。
過去からの手紙ってなんだろう。
個人的な記憶や思い出の別名。

うん そうかもしれないし、違うかもしれない。
自虐的な一日になりそうな予感から逃れて
二冊目 三冊目の本を開く。
開いたまま過去からの手紙が届くのを待っている。
おーい! 郵便屋さあん。

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