風にさわさわゆれる木が
きみに大事なことをささやいている。
ほら
いたずらっぽいアヒルやいつも疲弊しているようなカワヤナギ。
それとやたら臆病でビクついているマスク星人や
五線紙からおっこちてきて大あわてしている音符。
そのかたわらでぼくはきみと出会った。
きみはゆれる木のほうを向き
ぼくという無口な存在感の薄い男にも
大きな●みたいなピリオドにも
うじゃうじゃと出現してきた新人類にも
唇の端にこびりついたご飯粒のような思想のたぐいには
てんで関心なんかなかった。
空は晴れていた。
雲ひとつなかった 見渡すかぎり。
その日きみに向けてぼくは
たしか50カットほどシャッターを押した
1980年代の古めかしいフィルムカメラで。
「しそう」って何?
「黄ばんだ下着のことかしら」
まあそれに近い何かではある。
一本の木が風にさわさわゆれている。
きみが そしてぼくが
その隣でゆれる。
生きていればそうしてゆれ
風が吹くままに ゆれて
ゆれて
生きていくほか手だてはないのだ。
きみに大事なことをささやいている。
ほら
いたずらっぽいアヒルやいつも疲弊しているようなカワヤナギ。
それとやたら臆病でビクついているマスク星人や
五線紙からおっこちてきて大あわてしている音符。
そのかたわらでぼくはきみと出会った。
きみはゆれる木のほうを向き
ぼくという無口な存在感の薄い男にも
大きな●みたいなピリオドにも
うじゃうじゃと出現してきた新人類にも
唇の端にこびりついたご飯粒のような思想のたぐいには
てんで関心なんかなかった。
空は晴れていた。
雲ひとつなかった 見渡すかぎり。
その日きみに向けてぼくは
たしか50カットほどシャッターを押した
1980年代の古めかしいフィルムカメラで。
「しそう」って何?
「黄ばんだ下着のことかしら」
まあそれに近い何かではある。
一本の木が風にさわさわゆれている。
きみが そしてぼくが
その隣でゆれる。
生きていればそうしてゆれ
風が吹くままに ゆれて
ゆれて
生きていくほか手だてはないのだ。