二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

七色の夢のかけら 2021-10(8月12日)

2021年08月12日 | 俳句・短歌・詩集

木や草がごう ごう音を立てて虚空でうなり
黄色いハイヒールをはいた二羽のセグロカモメや
むやみに太った片耳のない白黒猫が休止符のようにうずくまる。
田螺の奥にはぴかぴかと豪奢な応接室があって。

きみが昨日まで住んでいたのは
絵画のなかの世界 かなりシュールな。
このあたりには80年ばかり前まであの朔太郎さえ暮らしていたんだぜ
あのとてつもない変人のさ。

風が吹き 木や草が
ごう ごう音をたてて虚空でうなり
見えない虎ロープをこえ
制止を振り切ってこちらの胸へとなだれ込んでくる。

これこそ朔太郎がいたころの上州の風土そのもの。
目をあけていられないような砂塵と
とんがり帽子のこびとたちが舞う。
・・・空高く舞う。

そこに混じってきみもぼくも舞っている。
マーラーの交響曲のはずれの方にある目立たない八分音符のように。
ごう ごうぼくたちの胸を行き来し 舞いあがる 
とんがり帽子のこびとたちと

七色の夢のかけらよ!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひじ掛けのある悪夢 2021-09... | トップ | 子スズメ♪ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

俳句・短歌・詩集」カテゴリの最新記事