二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

アマガエルの王国 訪問記

2017年09月09日 | Blog & Photo
 (これでも、彼らには眼がくらむほどの高さなのかな)


これまでアマガエルを撮ろうと正面きって考えたことなかった。
何かほかの昆虫を探しにいって、見かければついでに撮ってみよう・・・というスタンスなのだにゃ´д`。
主役じゃなく、脇役。
可愛らしさ、けなげさ。人間は感情移入したがる生きもの。

一番有名な句といえば芭蕉の、
古池や蛙飛こむ水のおと

・・・だけれど、小動物が好きだった一茶にも、よく知られたつぎのような作がある。

やせ蛙負けるな一茶これにあり
悠然として山を見る蛙かな

この場合、カエルは擬人化され、一茶自身の肖像と読むことも可能だろう。
ほかにこんな俳句がある。

蛙鳴き鶏なき東しらみけり    一茶
覚めきらぬ者の声なり初蛙    瓜人
明日は又明日の日程夕蛙     素十
階下の人も寝る向き同じ蛙の夜  兜太

一茶は足元でぴょんぴょん跳ねているカエルたちを、そのまま見過ごすことができなかったのだ。花鳥諷詠というけど、アマガエルが俳句の題材となるのは、芭蕉の名句を例外とすれば、一茶をもって嚆矢とするのではないかしら( ´ー`)

・・・というわけで、先日、アマガエルを主役として撮影した数枚をpic-upしてみよう。






ここは田んぼの中に取り残されたように存在する小さな墓地。
そこにT字型、3~40坪の空き地がある。空き地は墓地の敷地で、だれかが管理している。新たな死者がでると、この空き地に埋葬され、墓碑が建つ。
花やチョウ、セミ、カエルたちがささやかな王国の暮らしを愉しんでいる。







水路、水田で生まれたアマガエルは、こういう場所へと登っていく。エッチラオッチラ・・・ふうう、ちと草臥れたな~んて。
高いところの眺めはサイコーだし、天敵(シラサギやモズやカラスたち)の眼を眩ますこともできるのだろう。

3~40坪では人間にはあまりに狭いけど、アマガエルにとっては、その数百倍もの広さの天地なのだ。
この日の天候は雨模様の曇り。ケロケロ鳴いているカエルもいたけど、わたしが近づくとし~んと静まり返る。
その間合いが絶妙(゚д゚)

「そうか、そうか、こんなところに・・・パチリ!」
わたしは何十匹もいるアマガエルを、熱心に探し、撮影して歩いた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 風味絶佳(9) 祭り日の街角 | トップ | 風味絶佳(10) 軽井沢銀座 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Blog & Photo」カテゴリの最新記事