
X10がわたしのところへやってきて、10日ほどがたった。
試し撮りしていた作品が100枚をこえたので、「短期使用レポート」を書いておこう。
価格.comのユーザーレビュー・評価にならって、つぎの8項目に分けて、独断と偏見にもとづき、ここまでの使用感を簡単にのべる。
(5点満点)
☆デザイン 5
オーソドックスというか、レトロな感覚がすばらしい。メーカーがいうように、10年たってもアキのこないデザインだと思う。筺体の表・裏はもちろん、上面、側面にネジが一本も見えないのは評価に値する。・・・ただし、底面に7個も顔を見せているのは、チト多すぎるけれど(~o~)
☆画質 5
高級コンパクトなのでこんなものかもしれないが、概ね満足している。APS-Cサイズの一眼レフに比べ、ほとんどひけをとらない。
これについては、あとで作例をあげてみよう。
☆操作性 5
ON、OFFのスイッチが、ズームレンズの操作と連動しているのは使いやすい。
使用頻度のとても高い露出補正レバーが軍艦部右端に置かれ、操作性は非常によい。
☆バッテリー 4
可も不可もない・・・といったところか。これ1台だけで一日中歩き回るのは、やや不安。
メーカーの公表値は、LCD表示ONで270枚、OFFで640枚となっている。
☆携帯性
まずまずで、わたしには操作しやすい手ごろなサイズ、重量。ただし、CXシリーズのようにどこへでもお供させるわけにはいかない。この10日間、ダイソーで買ってきたショボイ「信玄袋」に入れて、クルマの助手席にころがしておいた(笑)。トップの写真がそれ。
問題があるとすると、レンズキャップ。金属製なのはいいけれど、持ち歩いていると、まちがいなく紛失してしまうだろう。まだ買ってはいないけれど、フードまたはフィルターが必需品となりそうである。
☆機能性 5
手ぶれ補正は、メーカーでは4段分といっているが、よく機能しているようだ。1/15で、大抵の場合、安心してシャッターが切れる。
いちばん困るのは、シャッタータイムラグは短いのに、液晶表示で見るAEの追従性が悪いこと。これはファームアップ等でぜひ改善してもらいたい。
☆液晶 4
X10の“ウリ”の最大のものはズームレンズに連動した実像式光学ファンダー。
しかし、ここまで使ってみて、わたしの場合、光学ファインダー使用率20%といったところ。視野率85%と書いてあるが、2メートルより近いときは、パララックスが大きく、使い物にならない。ユーザーの多くが希望しているように、ピント位置マークくらいは必須だろう。液晶表示に関してはとくにいうべきことなし。
☆ホールド感 5
たいへんグリップしやすく、手になじむ。この「手になじむ」か否かは、スナップ撮影ではとても大切な要件。以前人物スナップ等にさかんに愛用したフィルムカメラのコニカ・ヘキサーがデジタルになって蘇ってきたようである(^_^)/~
つぎに作例をピックアップしてみよう。
カラー:スタンダード(PROVIA) ダイナミックレンジAUTO
ISO100 シャープネスM-HARD その他初期設定のまま
モノクロ:初期設定のまま 他はカラーと同じ設定
作例(1)


作例(2)


※作例(2)はカラーをVelviaモードとしています。
わたしの印象では、X10のモノクロは階調豊かで、とても美しい。
さきにX10のユーザーとなったマイミクあっきいさんもどこかで書いておられたとおもうが、このモノクロなら、「撮るよろこび」が目覚める・・・といってもいいような仕上がりである。
作例(3)

ボケ味テスト。ご覧のように素直でなだらかな好ましいボケである。ただし、逆光の点光源というようなきびしい条件下では、まだテストしていない。
(4)日中日陰

つながりがよく好ましい質感描写である。ここまでくると、mixiアルバム程度の精度では、APS-Cサイズのカメラとの差を見出すのはむずかしいかもしれない。
(5)明暗差の大きい被写体

これはコンパクトデジタルにとってはきびしい条件。35mmのフルサイズなら、ススキの一本、一本をもっと正確に分離し、クリアに描写してくれるのだろう。暗部もここまでつぶれず再現してくれるのかもしれないが、このあたりが、コンパクトデジタルの性能の限界付近だと考えれば、まあ、いたしかたない。あとはRAWで撮影し、現像する手もあるが、いまのところ、そこまでやるつもりはない。
<総評>
このX10は、写歴40年にもな~るわたしのようなベテランを十分満足させてくれるすばらしいカメラである。「持つよろこび」を感じさせるコンデジが少ない中、貴重な存在であるとおもう。満足度100%なんてあるわけはないから、あとはユーザーがどう使い込み、使いこなしていくかということになる。
そんなことを考えていたら、FUJIから、レンズ交換のできる、本格的なミラーレス機の発売が公表された。う~ん、これはFUJIが先行する他社に向けて放つミラーレスの本命といってもよさそうだ。X10、X100と統一感をもたせた、この長兄のデザインも悪くない。
しかし、お、お値段が(^^;)
http://yamataka320i.at.webry.info/201201/article_4.html