二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

消えゆく昭和へのラヴソング♪

2013年05月01日 | Blog & Photo

連休前半は仕事、明日一日出勤し、そのあとは、カレンダー通り四連休の予定を組んでいる。
はて、どうしようか?
父が足腰が弱ってきたので、一日は草刈りなど農事をやろう。一日は息子につきあって、桐生、足利方面へ出かけようかと思案中。あとは撮影に当てるつもりだけれど、お天気はどうかなあ?

マイミクの皆様はどんなご予定を立てているのかしら。
中には連休中ずっと仕事に追いまくられる方もいるらしいが、わたしも過去、営業マン時代はそうだった。
そしてあとで、ゆっくりと代休をエンジョイ(^^)/
そんな生活が、ずいぶん長かった。

昨日は午後、ポンと時間が空いたので、会社からクルマで5~6分のS町界隈を、カメラ散歩してきた。
もう何度も歩いて撮影し、過去のmixiアルバムに、たくさんのアルバムをアップしてあるけれど、いついっても、なにか収穫をもたらしてくれる下町ムードただよう一角である。

トップにピックアップした一枚が、この日の「街撮り」でいちばんのお気に入り(^-^)
この壁と窓はこれまでも撮っている。しかし、どちらかというと、少し陰惨な画面になってしまう。
ところが、この日、サクラソウが咲いていて、彩りをそえてくれているのを再発見。

見なれたはずの風景が、季節によって変わる。
あるいは、去年はこうだったのに、今年はこうだ・・・という変化がある。
昭和町、平和町という、日本中どこにでもある町名をもったこの界隈も、昭和末期のころから年々さびれてしまって、昔のにぎわい、いまいずこである^^;

消えゆく昭和へのラヴソング♪

カメラをもつわたしの耳には、立ち去った人びと、立ち去ろうとする人びとの跫音のようなものが聞こえる。過去を単純に、ひたすら美化しようというのではないけれど。

わたしがS町界隈と呼んでいるのは、むろん昭和町のこと。
昭和のはじめになって、ようやく“町”らしい発展をとげた界隈なのである。
詩人萩原朔太郎は、昭和17年に亡くなっているから、この界隈をみたかどうか?

ところがこの数年、老朽化した建物の解体撤去や、建替え工事がすすみ、なつかしいストリートは時代の風波にさらされて消えつつある。



「桝屋製麺」はその中でも、よく時代の風韻をいまにつたえている。
北向きなので、曇り日を選んで撮っている。
左隅に手洗い所があるが、なんのための手洗いなのか、よくわからない。
わたしが発見したとき、すでにこういった外観だったけれど、「桝屋製麺」の文字は年々うすれていく。



この黄色い板は、廃院となった開業医の塀の向こうに見えた光景。
隣地に真新しい医院の建物があり、後継者が内科医院を営んでいる。
この一隅は、過ぎ去りし日の入院病棟の面影をいまにつたえている。
「夏草や兵どもが夢のあと」と詠んだのは芭蕉。
ここでは夏草ならぬ藤の花。
藤棚は、窓に黄色い板を打ち付けた閉鎖病棟の塀際にあり、いまではだれも愛でる人とてないようである。



おもわず「清貧」ということばを連想してしまったクリーニング店。
なつかしいこのファサード! 
曇り日の午後遅い、やわらかな光につつまれ、老残の姿を横たえている。
人びとは消え、建物が残る。しかし・・・その建物も、時移らずして、姿を消すだろう。

消えゆく昭和へのラヴソングは、わたしの場合、7人もの家族と過ごしたなつかしい少年時代を呼びさます。
気が弱っていると、そういった感情に、なんというか、胸をえぐられる。
「老境の発見」
沢木耕太郎さんは、うまいことをいったものである。



最後に「街角の花」。
トップの一枚と同じく、人の心が、咲いている。



※機材はD7000に40mmF2.8マイクロ、PENデジに35mmF2.8。最近はフットワークよく軽快に撮れるこの単焦点コンビが活躍している。
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