二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

流木のように淋しい(ポエムNO.3-84)

2020年06月28日 | 俳句・短歌・詩集
   (撮影 2014年10月)



「精密検査をうけたら 悪いところばかりさ」
と苦笑いしていた友人が亡くなって
ぼくは淋しくなってしまった。
だれかと突然走り出すなんてことはもう永久にないだろう。

夢中になって二時間 三時間
バルザックやカフカについて話ができた
そういう友人を失ってしまった。
ああ なんということだ。

なんということだろう。
淋しさのなかの真昼
淋しさのなかの真夜中。
だれ一人乗っていない夜汽車のように

癒されることのない傷口のように
あれやこれ・・・のように。
しんと静まり返った真昼と真夜中が交互にやってきては
ぼくをからかう。

あと何年?
あと何年したらぼくも
ぼくもここから立去ることになるのだろう。
ぷかりぷかりと浮かび

真昼と真夜中の境界線をただよう流木 のように
さ 
淋しい。
サ・ヨ・ナ・ラ。

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