二草庵摘録

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時代小説へキキっと急カーブ( -ω-)  ~池波正太郎「藤枝梅安」へ復帰する

2024年02月08日 | 小説(国内)
■仕事人藤枝梅安 三「梅安最合傘」講談社文庫(新装版)
  同      四「梅安針供養」 同   (新装版)


ジャック・ヒギンズを読みながら、そうだなあ、日本のハードボイルド小説あたりへ戻ってみようか・・・と思いはじめた。例によって、わたしの“気まぐれ”ですけどね~。
少々我慢して「深夜プラス1」は読み了えたんだけど、どういうわけか気分が飛んでしまうので、本棚をあちこちと探し回った。

探したのはいいが、大半は文字が小さな旧版がぞろぞろ(;´д`)
しょうがねえなあ。
ほとんどは文字が大きな新版に買い替えるはめになった。BOOK OFFで15冊ほど買い、あとは新刊書の購入とあいなった。
とはいえ、このあいだまでは司馬遼太郎を読んでいたのだから、世話ねえなあ(笑)。

キキっと急カーブでも、他人様にご迷惑を及ぼすことはない。99%はわたしの“ひとり遊び”なのだから。
池波正太郎はかつて「鬼平犯科帳」を12-3冊読んでいる。めずらしくTVの影響があって
、あの時代に平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」も、7-8冊は愛読させていただいた。
あれからもう20年数年はたっているだろう。

「梅安最合傘」(ばいあんもやいがさ)は短編連作、「梅安針供養」は長篇という違いがある。池波さんは60に近づくにしたがって、切れ味勝負の短篇をつぎつぎ書くのが億劫になったのだ。67歳で白血病のためお亡くなりになったため、もう晩年。
あれほどの小説、エッセイを営々と書き続けてきたのだから、デスクの前にドンと座っていた時間の長かったこと、長かったこと。読むだけでも大変だというのにね。

梅安の第一巻、第二巻は以前に読んだ記憶がかすかにある。そのため、第三の「梅安最合傘」から入ることに。
梅安鰹飯
殺気
梅安流れ星
梅安最合傘
梅安迷い箸
さみだれ梅安

この六篇が収録されている。例の如くBOOKデータベースより引用させていただこう。
《行きつけの料亭「井筒」で梅安は、10年前、自分の命を救ってくれた浪人を見かけた。梅安に頼まれて後をつけた彦次郎は浪人が悪辣な辻斬りであることを知る。命の恩人の正体に苦悩する梅安だが、度重なる悪行に殺しの覚悟を決める。壮絶な死闘と人情の機微を余すところなく描き出す、梅安シリーズ第3弾。》梅安最合傘

昔は緒形拳、その後は藤田まことで梅安を知っている・・・という人が多いだろう。
人気のTVシリーズだったはず。
食べもののシーンは、だれでもいうが、まことに印象的。一ヵ所引用してみる。
《梅安が湯殿から出て来ると、早くも彦次郎は、火鉢に小鍋をかけ、塩・酒・醤油で薄味にととのえた出汁を張り、浅蜊の剥身と豆腐、それに葱の五分切りを杉の木箱へ盛り、酒の燗に取りかかっていた。》梅安迷い箸 現行版246ページ

どうです、食べたくなるよね!? 酒も飲みたくなったため、スーパーでわざわざ日本酒(地酒)を買ってきたほど^ωヽ*ニャハハ
食にまつわるエッセイを数多くお書きになっていることは、ファンなら知らぬ人とてない。
「最合傘」「迷い箸」「さみだれ」はとくに読み応え十分であったな。
殺し屋ではどうもピンとこないため“仕事人”は池波さんが発明したことば。

「鬼平犯科帳」
「剣客商売」
「仕事人藤枝梅安」
このシリーズ三篇は、三大シリーズと呼ばれ、いまでも圧倒的な人気を誇っている。コンビニにいくと、ごく普通にこの三作のマンガが置いてある。
「梅安針供養」はやや緊張感が失われているが、この種のエンタメイトにまじめ腐って書評などやってもはじまらない。
日本製のハードボイルドといえば、「鬼平犯科帳」「仕事人藤枝梅安」にとどめを刺す。「剣客商売」は少し趣が違う。

このあと「殺しの掟」も拾い読みしたが、いやはや、愉しめましたぞ。池波正太郎、久しぶりだったしね。期待度が一番大きいのは「鬼平犯科帳」だけど、「剣客商売」も「辻斬り」の一篇だけ、先回りして読んで、・・・しかし物足りなかったなあ。
この物足りなさは、平岩さんの「御宿かわせみ」に通じるものがある(*´σー`)

手許にまた、本がいっぱい集まってきた。そのうち、わたしの居場所がなくなってしまうなあ。BOOK OFFで100円本を目にすると、つい、つい手に取ってまう。
半分病気かも知れない。
ぐるっと大回りしてから、海外ミステリ、冒険小説へ戻ろうっと♬



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