「ヨシエチャンヘ」で始まる200枚もの絵手紙を、ビルマ戦線から一人娘に送り続けた兵士がいた。
本書は戦死した父親からの絵手紙を軸にした、作家になったヨシエチャンが書いた太平洋戦争の回想記。
どこの国の陸軍も、職業軍人は少数で大多数は応召兵。ウクライナ軍やロシア軍だってそうだろう。
ヨシエチャンの父親は、子煩悩な東京下町の家具職人だった。
私の祖父も母が産まれてすぐに、二度目の召集で中国大陸から南方に転戦し、台湾沖で輸送船が沈没、ガダルカナルで九死に一生を得たのちにビルマ方面隊に従属、インパール戦で命からがら敗走してビルマで終戦・武装解除された歴戦の兵士だったが、シャバの職業は鍛冶職人だった。
「この世の地獄」「飢餓街道」から生還した祖父も、ここで死んだらノリコがどうなる!と母のことを思い続けていたのだろう。やり切れん。