盆の墓参りで母の実家へ。
実家は江戸時代に建てられた古民家で、結婚を前にした20代の爺さんが、セルフビルドで屋根裏部屋を作り、箪笥階段(たんすかいだん・階段内部が収納になっている)や食器棚の什器類も作ったし、囲炉裏のある広い茶の間に間仕切りをいれて、部屋数も増やしている。
爺さんがつくった箪笥階段と屋根裏部屋の入口
インパール戦で生還した爺さんだが、屋根裏部屋は新婚生活をおくるため、部屋数を増やしたのは将来的に家族が増える見込みに備えであったようだ。
大工仕事が丸見えの和室なのに、素人臭さがまったくない立派なもので、むろん、江戸時代とかわらない道具と工法で独りで作ったのだから、信じられん技術力。
現在は、孫が構造材と爺さんがつくった什器類を活かして、和洋折衷のリノベーションをして暮らしている。
80年以上も前に素人が箪笥階段を作ったことも凄いが、いまもって現役で使われているのだから、凄いではないか。爺さんが産まれた大正時代は、住宅は耐久消費財という概念はなく、長持ちする家つくりが当たり前の世代。これ以前の爺さんたちは、エスデイ爺ズだな(笑)
孫の私は電動工具を駆使しても、爺さんには遠く及ばん。昔の人の生活技術ってすごい。