縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

仮設住宅の遮熱シート実証実験中・・・能登半島地震ボランティア

2024年08月17日 06時30分54秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
門前町の仮設住宅の一軒分だけ遮熱シートをはって実証実験開始。
台風が心配なのだが、ここ数年の自宅の遮光ネット張りで工夫を重ねた暴風対策の効果を信じるしかない。
三角になった折半屋根のむつかしいところは、45㎝ピッチで固定ボルトが35㎜も飛び出していることで、そのままでは遮熱シートが破れてしまう。
熟慮した対策が、45㎜角の垂木にボルトの位置に孔をあけてかぶせる方式にした。
垂木の両端に孔をあけて6㎜ロープを通したのでかえって耐風性が向上したし、シートの下に逆台形の空間になっているので通風で多少の冷却効果が期待できるのではないだろうか。青いもしゃもしゃした物体はロープ保護用の布で、短冊状にカットした土嚢袋を折り重ねて巻き付けてある。
遮熱シートの下の逆台形の空間の空気の動きはどうかと期待している
 
長屋になった1軒分だけでは輻射熱などもあって大きな効果は期待できないかも知れないが、暴風対策の実証実験にはなる。
シートブレス金具に結束した竹竿に結束してあり、ネジリ結び・巻き結び・もやい結びを応用している。
ネジリ結びは植木屋や土木で多用する便利な結束法なのだが、アウトドア教室などで教えているんだろうか?
 
9月半ばに回収予定だが、その後にレポートをつくり、NPOボランティアに提出して、来年の夏の酷暑対策に役立ててもらえれば幸い。
*資材購入は支援金をつかってます。
今回の資材費は遮熱シート・角材・竹竿・結束用のクレモナロープ(4㎜・6㎜)・温度計などで合計20,000円くらい
 
 
 

「アジア開放の聖戦」で犠牲になったアジアの人々・・・アジア太平洋戦争による日本の戦争加害を考える

2024年08月16日 06時20分09秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
8月15日になると「310万人が犠牲となったアジア太平洋戦争」と報道されるのだが、8月15日はポツダム宣言受諾を表明した日であって戦争は続いていたし、日本人だけが戦争犠牲者ではない。ちなみに国際法上の太平洋戦争の終結は9月2日の調印式だ。
 
日本の近代史としてのみならず、どれだけアジア諸国に犠牲者を出したかを考える世界史的な観点で俯瞰しないから、いまだに「アジア開放の聖戦」と礼賛し、不都合な情報を突きつけられると自虐史観だと断じる人物が後を絶たないのではないだろうか。
 
そこでアジア太平洋戦争の各国別犠牲者を検索したら「社会実状データ図録」というサイトをみつけたので、興味ある方はご参照してほしい。
サイト運営者の本川裕さん作成したアジア各国の戦争犠牲者の表。大変な労作なので多くの人にみて欲しい。
 
各国公表の元データの信憑性はともかく、帝国陸軍は戦国時代さながらに戦闘が長引くと食料は現地調達を将兵に強いていたので、種モミまで盗まれた現地人と敵対関係になった地域があったことは史実で、ビルマやフィリピンの戦記によく出てくる。
 
日中戦争に従軍してシベリア抑留を経験した老人から、何か月も風呂にはいらず着たきり雀で食事も十分でなかったから、強姦略奪くらいしか楽しみがなかったと聞いて絶句したことがある。
 
もちろんインパール戦で勇名を馳せた高田58連隊の宮崎友三郎中将のように、将兵が民間人に乱暴狼藉をはたらかないように、村の入り口に歩哨をたて将兵の立ち入りを禁じ、食料調達は軍票で購入するか物々交換を厳命した名将もいた。
 
バイアスなしで冷徹に歴史を俯瞰すること。そうでないと同じことを繰り返すし、犠牲者も浮かばれない。
 
 
 

能登の豪快なお盆の迎え火・・・門前町諸岡の火祭り

2024年08月15日 08時46分43秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
門前町諸岡地区の火祭りは豪快だ。
かっては巨大松明の燃え尽きから提灯の灯りをとり、自宅に持ち帰ってお盆の迎え火としていたそうだが、現在は大音量のアナウンスと煌々と照らしたライトもつかった今どきの夏のイベントとして命脈を保っている。
観客のなかに地元の消防団員らしき人が誇らしげにMONNZENと書かれたTシャツを着ていて、グッときた。
 
松明は束ねた青竹を芯に稲わらが巻かれていて、たまに竹が爆ぜてボンっと音がして火の粉が飛ぶ。
 
野焼きの火葬をみたことがあるが、頭がい骨が弾ける時の音に似ていた。
 
松明が倒れたころ合いに、なぜか地元のエレキバンドが加山雄三メドレーを演奏した後に打上げ花火の演出。
せっかくの情緒を台無しにするこの流れはいかがなものか(笑)しかし地区の人が集まって同じものを観るのはいいもんだ。
 
それにしても門前は手付かずの倒壊家屋が多い。
 
 
 

屋根の遮熱検証の暫定首位は遮熱シート・・・被災地の仮設住宅の室温をさげるDIY

2024年08月12日 06時10分13秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
現時点の工房の屋根の各種遮熱の検証結果は
右から遮熱シート、空き缶クーラー、無しの3種類
①ガルバリウム鋼板屋根の表面温度53.3℃
②空き缶クーラーの表面温度40.1℃(-13.2℃)
③遮熱シートの表面温度34.2℃(-19.1℃)
 
空き缶クーラーより遮熱シートの方が遮熱効果は高いし、仕事も早いのだが、その差がそのまま室温の差にはならないようだ。
 
夏の糸魚川にきた長野県の人は湿気がなくて涼しいと言うし、風通しのよさを求めてつくった工房に遊びに来た近所の人は涼しいというから、体感気温は湿気や風通しなどの要素が大きいことがわかってきた。
 
輪島の仮設住宅で遮熱シートの実証実験をさせてもらえることにはなったが、長屋になった一世帯分だけでは熱伝導の関係もあるから室温がさがらない可能性が高い。
 
日本のロケット工学の父と呼ばれる糸川英夫博士は、たび重なる打上げ失敗を成果と評価して次につなげる姿勢を崩さなかったそうだから、やってみるこった。失敗は成功の母!
 
 
 
 

災害につよい家つくりを勉強してきましたぁ・・・高断熱高気密・高耐久の「匠」さんの現地見学会

2024年08月11日 08時14分21秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
地元で高断熱高気密住宅の見学会にいって、建坪35坪の吹き抜けに8畳用のエアコン1台しか設置していないのに涼しいことに驚いた。
真夏でも窓をしめて冷気を逃がさない高断熱高気密住宅は、「日本の住宅は冬の寒さより夏が過ごしやすいように開放的につくられている」という当たり前から真逆の家つくり。
冷房は吹き抜けのエアコンのみ、暖房はテレビ台内部に収納された暖房用エアコンのみの家
 
リビングと寝室ごとにエアコン設置という常識も通用しないのだが、停電でエアコンが使えなくなった時はどうなの?と渡辺社長に聞いたら、魔法瓶のようなものだから数日間は冷気は維持されるらしい。
暖気は床の吹き出し口の「ガラリ」から出てくる。「ガラリ」は渡辺社長の手作りとか。
 
真冬に停電した時のためのリスク分散で、暖房は開放型ストーブを利用するのも結露するので不可とのこと。
 
いいこと尽くめのような高断熱高気密住宅であっても、中途半端な家つくりだと結露で屋根や外壁の痛みが早く、壁もカビだらけになる実例をたくさん見てきたから、業者の選択は慎重に!
見学会は糸魚川市の工務店「匠」さんの新築物件
 
特に営業マンが歩合給で、二次下請け三次下請けが施工するような大手ハウスメーカーは要注意だ。
 
昔ながらの開放的な家つくりも工夫次第で快適に過ごせることを忘れてはならないのだが、どちらにせよ地盤も含めた耐震構造が大前提となる。
 
 
 

密閉した水道水は冷暗所で3ケ月保存できます!・・・ペットボトル売切れ騒動に思うこと

2024年08月10日 07時24分41秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
「今後1週間は南海トラフ地震に注意」といわず、普段から用心しておくことだと思う。
 
飲料水は言うまでもないが、能登の被災者は手洗いや洗顔や歯磨き、トイレなどの生活用水の備蓄も大事と力説する。
水道水を満たしたポリタンクを冷暗所に置けば3ケ月は飲めると知って実験したのが20年も前で、確かに異臭も浮遊物もなく飲めたので、ダンボール箱入りのペットボトルと共にガレージの奥で日除けの段ボールをかぶせて常備している。
心配な人は煮沸して飲んだり生活用水にすればいい。
 
飲み水にあたらないコツを20歳の時のインド旅の飛行機で隣りの席に座っていたインドネシア人学生から教えてもらった。ウイスキーを味わうように舌の上でころがしてゆっくり飲むというだけなのだが、このおかげで海外でも下痢したことがない。ただし異様に生臭い水や、口にふくんだ時に唾液腺がウルウルと刺激される水は飲まない。
 
ガレージを整理してたら埃をかぶった7年も前のダンボール箱入りペットボトルがでてきた。開栓したら普通に飲めたので、こちらも生活用水として保管してある。
 
拙宅裏に農業用水が流れていて、イザという時に汲めるように棒につけたバケツも用意してある。雨水をうけるバケツ、予備のポリタンと漏斗、煮沸用のカセットコンロと薬缶も非常用品置場に常備。
紐で吊るしたバケツは水が汲みにくいのは実験済みで、水に関しては雨水もいれれば4段構えの体制をとっている。
 
ペットボトルの水だけが水じゃないぜ!
 
 
 

輪島漆器の盃(さかずき)で飲み比べを!・・・輪島漆器販売義援金プロジェクト

2024年08月08日 06時48分09秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
滅多にお目にかかれない輪島漆器の盃が手元に2種類あり、酒好きに飲み比べてほしいものだ。
 
左は珠洲市の畠田家の盃でぽってりと厚みがあってかわいらしく、とろりとした甘口の純米酒が合いそうな印象。右が輪島市のK家の金縁が施された盃で、端麗辛口の吟醸酒が合いそうなシャープな印象。
縁の丸め方も厚みもかなり違って、K家の盃は極限まで薄く轆轤挽きされていて、羽根のように軽い。
高台底に書かれた家印は貸し借りをした時に返却してもらうためだが、大正時代に材木商を営んでいたK家の漆器には家印が書かれておらず、おそらく別格の高級品だったので貸すことはなかったのだろう。
 
酒が飲めなかった永六輔さんが、なるべく薄い器に冷酒を満たして湖面にみたて、湖面を渡る風ごと腹におさめるように飲むと美味いと教わり、やってみたら確かに美味かったと随筆に書いている。嘘か本当か確かめようではないか!
 
酒器の素材や形で味わいもかわってくるので、大人も夏休みの自由研究にいかが?軽くて嵩張らないから外国へのお土産に最適ですぞ。
 
どちらも沢山の在庫があるので、興味ある方は下記URLをチェック!
https://nunakawa.ocnk.net/
 
売上は宅急便代を除いた額が被災した持ち主への義援金となります。
 
 
 

縄文時代のハートマーク?ウサギちゃん?矢じりですって!・・・無斑晶質安山岩の矢じりペンダント

2024年08月07日 06時53分00秒 | ぬなかわヒスイ工房
「うわぁ、縄文時代にハートマークあったんですねっ!」とか
「カワイイ!ウサギちゃん?」とかの天真爛漫すぎる感想を言われるとオレは哀しい。
「矢じりペンダントですよ、矢じりのっ!」と説明すると「ヤジリってなんですかぁ?」とまで言われると、もうなんだっていい!好きに認識してちょうだい!と説明を諦める。
この経験が「ヒトの数だけ勾玉の意味がある」という学びに繋がってくる訳ですナ。お客様は神様でございマス。
試行錯誤の結果、ガラス質の無斑晶質安山岩にベストな加工を、やっとみつけた。
 
自分流のヒスイ加工をやってダメならダメなヒスイだと断定する同業者の声を聞くが、ヒスイならずとも主従関係を捨てて石にあわせた加工が必要だと思う。主役は作品なのであって作り手と原石はその構成要素。
 
柳生新陰流の「型あって型なし」という教えを自分の仕事で理解できるのだから、仕事も神様でございマス。
 
 

買うより作ろうオニヤンマ・・・蚊よけ蜂よけのオニヤンマを100均製品でDIY!

2024年08月06日 07時42分49秒 | こんなモノ作った!
山から汗だくで降りてきた登山女子が、帽子にオモチャのオニヤンマをつけていて、アブや蚊よけに流行っているのだと聞いた。
ホームセンターに買いにいったら1個900円もしたので、百均でトラトープ・ガラスビーズ・プラバンを買って自作。
トラトープに折り癖がついているので躍動感があり、7個つくって工房と家の至るところにぶら下げた。
プラバンに捻じりをつけたので風で動きやすくしたり、ガラスビーズを止める針金を触覚にするなどの工夫が楽しい。1個当たりの製作時間は10分くらい。
 
300円で20個はつくれるから安あがりだし、これは楽しい遊び。拙宅は果樹や花が多いから蜂も多く、畑仕事が趣味のお袋に3個あげて帽子に安全ピンでつけさせたので、親孝行でもありますナ。
 
 
 

ダブル遮光ネットで10℃も差が出た!・・・災害級の酷暑対策DIY

2024年08月04日 07時58分31秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
ぬなかわヒスイ工房の玄関テラスの上に遮光ネットをかけて、手前の遮光率65%の黒と、奥に明るいベージュの遮光率80%を比較してみた。
内側にもモカ色を張ってあるのでダブル遮光ネット!
どちらも素材はポリエチレン製だが、遮光率の差は編み方の密度と織り方の違いで決まり、15%程度の遮光率なら大きな差は感じず、むしろ粗い織りの黒が景色が透けてきえて涼し気だった。
直射日光があたる地面
ダブル遮光ネットの地面の温度は10℃以上も差が出たので驚く。ホームセンターの安物でも使いようと実感。
 
今回は工房の屋根下の外壁から張って、西日の直射を建物から遮ってみた。
試行錯誤した結果、最初に「アイストラップ」というステンレス金具を外壁にビス止めし、そこに竹の棒を紐で結束固定して、ネットが張るアイデアは収穫だった。この工夫さえすれば、ハトメ位置に関わらず好きな位置に遮光ネットが張れるのだ。
 
もう少し涼しくなったら散水の工夫もしてみる。サウジアラビアみたいな気候になったらクーラーの出番だが、今のうちに誰でもDIYできる酷暑対策を地道にやっておくといい。