旅と歴史

全国各地の史跡を取り上げて紹介しています。

花山院菩提寺

2015年07月27日 | 旅 歴史
 兵庫県三田市尼寺に花山院菩提寺があります。
 東光山花山院菩提寺は真言宗花山院派の本山です。白雉2年(651)に伝説的な僧・法道仙人によって創建したと伝えられています。初め紫雲山観音寺と称していましたが、長保5年(1003)、花山法皇がこの寺で隠棲生活を送り、寛弘5年(1008)没したので、花山院という寺号に改めたそうです。
 11世紀には多田荘を本拠とした多田源氏が帰依し、山内には多くの堂塔が立ち並んで繁栄しましたが、後に雷火で焼失しました。弘治元年(1555)荒木村重による兵火で再度焼失しましたが、再建されました。元禄10年(1697)、空遍が諸国を勧進して本堂など諸堂を再興させたということです。
 西国33ヶ所霊場番外札所ですが、西国巡礼者は必ずここに寄って朱印を受けるそうです。花山法皇が西国33ヶ所霊場を再興したことによるそうです。標高400mの高台にあるため境内から六甲連峰から播磨灘まで見渡せます。
 花山法皇を慕って12人の女官たちが京都から花山院を訪れましたが、女人禁制であるため入山できず麓に庵(いおり)を結んで尼になったと伝えられています。そのため尼寺村という地名が残っています。琴を弾きその音色で思いを伝えたことから、琴弾峠という地名も残されています。

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