オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

第8回西宮美術協会 クロスロード展 理解を超えた細密画と理解できない抽象画

2011-02-06 17:02:59 | 日記
土曜日に西宮市立北口ギャラリー(兵庫県西宮市)で催されている「クロスロード展」にとら母
(寅次郎は車中待機)と行ってきました.


美術に疎く芸術的センスが無いのですが,仕事の取引先の方で油絵を描かれている方がおられ,
私のような無知な人間にも丁寧に疑問・質問に答えてくださり,少し作品を見に行くようになりました.


ずぶの素人なので難しいことは分かりません.
ただ直感的に美しと感じる作品があったり,細かな作りこみ(描きこみ)をされている作品を見ると
凄いなあと関心させられます.

抽象画は私が「表面的」にしか見ないからか,何を言わんとしているのかさっぱり分からず,
「何がいいのか何ぼ見ても分からん」とウンウンうなってばかりです.



以前少し書いたことがあるのですが,油絵は幾重にも重ね塗りされて描かれるそうです.

美しく微笑む笑顔の作品であっても,その笑顔の下には苦悩に満ちた顔が描かれていることも
あるというのを聞いたとき感慨深いものがありました.



この作品は昨年99歳で亡くなられた鳥井春子さん(サントリーの創業家)が亡くなる少し前に
催されたダンスパーティーでの思い出を,逝かれたことをしのんで描いた作品だそうです.

幾重にも思いを重ねて・・・・・そういう思いで見るとそれまでと違った見え方がする気がします.


「春舞」 贄田 肇氏  (作者様の了解を得て掲載しています)



近寄ってみると絵の具の厚みと,色具合を表現するために描き込まれた精細な色付けに驚かされます.





厚く塗り重ねられて出来た表面の凹凸.
見る角度により受ける印象が異なるのは,細かな凹凸一つ一つにも塗り方を変えて描いている
からだそうです.




【追記】
左下で二人でダンスを踊っている様子が描かれていますが,作者の方から製作途中の写真を
いただきました.

右が今回拝見したもので,左が製作途中のもの.
色具合は写真の違いによるものですが,右の絵は男性が薄く描かれているのがわかると
思います.

主役ではない男性が目立たぬように描くときも最初から薄く描くのではなく,ちゃんと描いた
ものを後から色を重ねて薄くしていっています.

何をどれほど薄めるかは一様ではなく,絵作りのなかで変化していくようです.

ひょっとしてこの絵も更に手を加えられ,次に見るときには違う踊りのポーズになっているかも
しれません.




美しく思える作品には気の遠くなるような細かな作業があってのことだということがよく分かります.

インターネットで「修復」や「肉盛」と検索すると,複雑な技法や技術をもって修理されているのを
見かけることがありますが,いったいどういう風にしたらこんなことが出来るのか想像できない
ものがあったりします.

このショップの「修理,修復」の「エンジンASSY状態でのクランクケースとシリンダフィンの
修正例(ページ中ほど)や「実車状態でのクランクケース修正例」
では,こんなに割れてしまった
ものをどうやって復元したのかが想像つきません.

ここまで来ると作品作りと同じ気がします.

細かくて気の遠くなるような作業・・・.
設備や技術だけではきっと無理な気がします.

気持ちと気合・・・そんな風に思ったりします.



縁あって会場でお会いした方々と記念撮影.




また機会があれば見に来たいと思います.


ではまた.