温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

脇野沢温泉

2011年01月14日 | 青森県
 
道の駅「わきのさわ」の斜前の国道沿いに位置する、一昨年のクリスマスに全面リニューアルした日帰り入浴施設です。


玄関入って、目の前の券売機で料金を支払い、その隣の窓口で券を渡します。窓口にはカーテンが下ろされて必要最低限の空間しか開けられていないので、失礼ながらパチンコ景品交換所や昔の連れ込み旅館を連想してしまいました。


基本的には地元民の福祉目的で建てられているので、そんなに大きな施設ではありませんが、新しいだけに明るくて清潔感が迸っており、休憩室からはいかにも新築らしく建材の匂いが漂ってきました。


浴室は黒色系タイルと木目調の建材が用いられて色調のコントラストがはっきりしており、いかにも今風なデザインです。

 
シャワー付き混合栓×7基が設けられ、うち一つはバリアフリー目的で広いスペースが確保されており、体が不自由な方でも支障なく使える造りになっていました。

浴槽はタイル貼りで5~6人サイズ。お湯はほぼ無色透明ですが、若干灰色がかった笹濁り。しょっぱさとニガリの苦さが混じった味で、湯口では臭素のような匂いも弱く感じられ、典型的な海水由来のお湯です。カルシウムの影響か、かなり引っかかる浴感。小さな黒っぽいものが浮遊していました。
浴槽の縁の全辺からしっかりお湯がオーバーフローしており、浴槽内には吸引口らしきものが見当たらなかったので、加温はされているものの、湯使いはおそらく掛け流しでしょう。ただ加温がちょっと強いためにお湯が熱く、濃い食塩泉であるために、湯上りはかなり火照りました。寒い冬には湯冷めしないのでいいかもしれませんね。面白いのは、浴槽の縁に沿って、洗い場にグレーチングの排水溝が設けられており、オーバーフローしたお湯がカランの方まで流れていかない構造になっていることです。溢れたお湯の成分が洗い場に析出してタイルが汚れることを防いでくれるほか、タイルが滑りにくくなるので、足元が不安なご老人などには安心ですね。



(↑画像クリックで拡大)
館内で掲示されている分析表は平成17年のものですので、改築前のものをそのまま流用しているのでしょうが、なぜか飲用に関する事項が紙で隠されていました。以前は飲泉できたのに現在は不可?。ということはリニューアルに伴い、消毒するようになっちゃったのかしら?

お風呂自体は面白さに欠けるものの、わかりやすい場所にあって、新しく使い勝手が良いので、時間が有れば立ち寄っても損は無い施設だと思います。


ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 45.7℃ pH8.02 228L/min(動力揚湯) 溶存物質8.343g/kg 成分総計8.343g/kg

脇野沢港から3.9km
青森県むつ市脇野沢七引157-2  地図
0175-44-3424
むつ市の当施設紹介ページ

10:00~20:00(7・8月は21:00まで) 月曜定休(祝日の場合は翌日休み)
350円
ドライヤー(3分10円)・貴重品ロッカーあり、石鹸やタオルなどは販売

私の好み:★★
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大間温泉 大間温泉養老センター

2011年01月14日 | 青森県

松林の中にひっそり佇む小さな入浴施設。養老センターという名前ですが、誰でも利用可能なんですね。鄙びた外観が温泉ファンの心を鷲掴みしてくれます。でもよく見ると外壁は綺麗。どうやら最近塗装し直したみたいです。


駐車場の脇に納屋のような小さな小屋を発見。モーター(ポンプ)が動く音が聞こえてくるので、おそらく大間温泉の源泉井でしょう。本州最北の温泉源泉なわけです。ここから汲みだされる源泉は、大間温泉養老センターの他、ご近所の海峡保養センターでも使われています。

 
玄関に入ると左手に鰻の寝床のような座敷が、そして券売機がある男湯と女湯の間のスペースに休憩室が設けられていました。この時はまだオープンして30分しか経っていない時間だったので、誰もいませんでした。

 
施設自体はごく普通の共同浴場で、受付は番台式。広からず狭からずの脱衣所です。男湯の浴室にはオフホワイトのタイル貼りで、シャワー付き混合栓×7基と押しバネ式のカランが1組が左側にズラリと並び、その反対側に角の欠けた四角い浴槽がひとつ、奥の角には湯口があってお湯がドバドバ投入されています。そして大量に浴槽の縁から溢れ出ており、湯使いに関する館内の表示には「循環」と書かれていましたが、ここでは明らかに放流式でしょう。湯口付近の壁に飲泉用のコップが掛けられているので、そのことも循環ではないことを物語っているものと思われます。まさか循環しているお湯を飲ませるわけありませんし。
養老センターという名前ですが、館内のあちこちを見回しても、お風呂の造りを観察しても、特にバリアフリーに配慮されているような構造ではなく、単に「老人がお風呂で集えればいいじゃん」程度の認識で建てられたのでしょうね。もっともバリアフリーなんて概念が常識になる以前の建物であることが大きい理由なのでしょうが。換気がよろしくなく浴室内は湯気でかなり視界不良状態でした。


さて大間温泉養老センターといえば温泉ファンの間では濃い橙色の濃厚な食塩泉として有名ですが、ここ数年の間にろ過装置が組み込まれ、現在お湯は無色透明になっちゃいました。でも浴槽の縁やタイルは赤黒く変色したままで、これはろ過せずに源泉を使っていたころの名残なんでしょう。ろ過しているものの、濃い食塩泉であることには変わらず、湯口のコップで飲んでみると、かなりしょっぱく、薄い苦汁の味と血液のような赤錆の味が混じっていました。赤錆のような金気臭もしっかり感じられます。いくらコップがあるとはいえ、こんな塩辛いお湯をゴクゴク飲む人いるのかしら。
ツルスベの中に軽くひっかかりが混じる浴感。やや熱めのお湯である上、濃い食塩泉なので、強烈に体が火照ります。夏の暑い日に入ると忽ちフラフラになっちゃいそう。厳しい寒さの冬でもかなり長い間湯冷めしないでしょう。訪問時も先客の爺さん二人がお湯の熱さにやられたのか、洗い場でトドになっていました。


ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 48.5℃ 溶存物質13.807g/kg 成分総計13.909g/kg

大間フェリーターミナルより徒歩35分(2.5km)
青森県下北郡大間町大字大間字内山48-1  地図
0175-37-2411

4月1日~10月31日→9:00~21:00
11月1日~3月31日→9:00~20:00
370円
備品類なし

私の好み:★★
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