温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

天然温泉八百坊

2011年01月25日 | 山形県


「はっぴゃくぼう」と読みます。国道13号バイパスを挟んで臥龍温泉の反対側、ネッツトヨタの裏手にある、八角堂の湯屋が目立つ入浴施設。雪が降りしきる当日、付近の道路の側溝のあちこちからは盛んに湯気が上がっていましたが、おそらくはここの排湯が流れていたんでしょう。玄関は八角堂の裏手です。

 

(↑画像はいずれもクリックで拡大)
玄関脇や館内には、天照だの湯殿山だの、「とっても神がかっていますよ」的な温泉の説明が掲示されていますが、無神論者の私としては面倒なので読むのはパス。

 
館内はとっても綺麗で、受付の方も物腰柔らかく、とっても親切。八角堂の中心にはいけばなが据えられた休憩室が設けられ、その両側に男女の浴室が分かれて配されています。脱衣所は明るく清潔、間接照明が用いられるなど、落ち着いた雰囲気です。


雪の日に訪れたためか、浴室は湯気が篭って視界不良、ミストサウナ状態でしたので、見にくい画像になってしまったことはご容赦の程を。シャワー付きのカランは計12ヶ所で、うち7ヶ所は、側壁を壊して外側に増設したと思しき数段低い場所に分かれて配置されています。カランから出るお湯は源泉使用。


浴槽は岩風呂で、大きな岩によって男女の浴室が隔てられており、八角堂の曲がり方に沿うような感じでいびつな形に造られています。

 
岩からはお湯が滝のようにドバドバ落とされ、それが大浴槽を満たし、浴槽の縁からはまるで洪水のように大量にオーバーフローしています。後から入ってきた子供達はその溢れ出しをプールに見立てていたほどです。
余談ですが、「お!浴槽底に敷き詰められたタイルもオクタゴンか」と思ってよく目を凝らしたら、そのタイルはヘキサゴンでした。ま、どうでもいいんですけど。

ここでは2つの源泉が用いられており、両方とも加温加水循環消毒なし。ひとつは食塩・芒硝泉で、上述の滝によってメイン浴槽に張られる湧出量豊かなお湯。滝(湯口)では熱めですが、湯船はちょうどよい湯加減。ごく薄い黄色透明で、割とはっきりとしたタマゴ+金気+芒硝の味と匂いが感じられます。投入量が多く、しっかり溢れてゆくので、湯船のお湯は新鮮そのもの。泡つきはないものの、ヌルヌルに近いツルツルスベスベでとっても気持ちよい浴感です。お湯の中で何度も肌をさすりたくなっちゃいます。そのかわりツルスベ感が強いので、洗い場が滑りやすく、実際に転びそうになりました(笑)。


もうひとつの源泉は温度が約23℃のもので、脱衣所出入口付近で水風呂として利用されています。小さな槽ですが、こちらもしっかりオーバーフロー。泉質は単純泉で、ごく僅かに薄い黄色を帯びた透明、無臭でほんのり甘みがあります。ちなみに大浴槽の方にもこの冷鉱泉が出る蛇口が設けられています。

綺麗な館内で使い勝手が良く、お湯も豊富で良質。界隈には他にも温泉浴場があって、それらの方が料金が安いため、こちらはあまり混雑せず、ゆっくり湯浴みできるかと思います。生活感が強い銭湯が苦手な方や、女性や家族連れには向いている施設ではないでしょうか。


福神Ⅰ
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 49.1℃ pH8.5 蒸発残留物2317mg/kg 溶存物質2504mg/kg

福神源泉
単純温泉 27.3℃ pH7.9 溶存物質316.3mg/kg 成分総計318.8mg/kg

山形交通バス・蔵王温泉行または上山(高松葉山)行で青田バス停下車、徒歩12分
(蔵王温泉行は山形駅前から、上山行は駅から徒歩3~4分の山交ビル角から乗車。山交ビル角~青田は15~20分、270円)
山交バスホームページ

山形県山形市東青田5-1-1  地図
023-624-9800
ホームページ

6:30~23:00
500円
貴重品ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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臥龍温泉保養センター

2011年01月25日 | 山形県

山形市内の国道13号バイパス傍に建つ、一見すると老朽化した小さな鉄筋コンクリートのマンションみたいな宿泊兼入浴施設。NHKの「ふだん着の温泉」で取り上げられていたので、以前から興味津々。先日行ってきました。

 
バイパスにも裏側の路地にも看板が出ているので、近くまでくれば迷うことはないでしょう。


古いといって侮るなかれ、夕方に訪れてみると、あたかも吸い込まれていくかのように、次から次へとお客さんが入っていくではありませんか。
玄関ロビーは昭和から時が止まったかのような雰囲気。券売機で料金を払い、受付に券を渡して中へ。浴室には檜風呂と岩風呂の2種類があり、どうやら男女入れ替え制らしく、この日の男湯は檜風呂でした。


脱衣所はごく普通の造りで、きちんと清掃されているのがわかります。

 
浴室には浴槽ひとつとシャワー付混合栓が8基。カランは浴槽前の他、脱衣所のドア付近の狭いところにも、いかにも後から追加しましたという状態で数基設置されていました。なおカランから出るお湯は源泉です。
浴槽は長方形でおおよそ10人サイズ。檜風呂といっても、縁と湯口が檜なだけで、浴槽自体は石板貼りでした。脱衣室といいお風呂といい、意外と言っては失礼ですが、古臭い外観からもたらされる予想を裏切る、あまり古さを感じさせない造りです。
いざ入ろうとすると、かなり熱い。熱湯慣れしていない若者だったら入れないかもしれません。常連さんでもさすがに長湯する人はいないようで、みなさんすぐにお湯から上がって、トドになっていました。浴槽の縁と側壁の間のスペースがちょうど人一人嵌れるため、ここに身を納めて体を横にするわけです。


湯口からアツアツのお湯が投入され、浴槽の縁からはお湯がふんだんにオーバーフロー。鮮度良好です。お湯はごく薄い黄色透明で、ほとんど無色と表現しても差し支えないほど。薄い塩味+昆布だし味+芒硝味+金気味で、芒硝臭+金気臭がいずれも微かに匂います。金気は他にあまり例が無いような独特の感じなのですが、津軽の温泉のどこかで同じような感触を得た気がします(でもそれがどこだか思い出せない…)。お湯の中では肌に気泡が沢山付着。硫酸塩泉ですが、よくあるキシキシ感は弱く、むしろスベスベ感の方が優勢。湯上りでも肌のスベスべが持続し、温まりも強く、この時は軽く吹雪いてましたが、ちっとも湯冷めしませんでした。

常連さんに愛されるこの温泉。決して大きくないため、土曜の夕方に訪れた時には男湯だけで10~15人が常に出入りしながら混雑の中を湯浴みしている状態。明らかに他所者の私は皆さんからジロジロ見られちゃいました。混雑を避けるならば、お昼頃がいいかもしれませんね。


ナトリウム-硫酸塩泉 53.4℃ pH8.2 動力揚湯(量不明) 溶存物質3439mg/kg 成分総計3442mg/kg

山形交通バス・蔵王温泉行または上山(高松葉山)行で青田バス停下車、徒歩10分
(蔵王温泉行は山形駅前から、上山行は駅から徒歩3~4分の山交ビル角から乗車。山交ビル角~青田は15~20分、270円)
山交バスホームページ

山形県山形市青田5-15-6  地図
023-631-5473

6:00~21:30
350円
100円リターン式ロッカー・ドライヤー・リンスインシャンプー&ボディーソープあり

私の好み:★★
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