温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

東北原温泉

2011年01月31日 | 福島県
※残念ながら閉館したようです。

 
郡山郊外の長閑な田園地帯にポツンと立地する温泉浴場です。温泉ファンのサイトでしばしば取り上げられているので、気になって訪問してみました。農家の前庭に片手間に湯屋を拵えたような佇まいで、且つどことなく鄙びており、そこここからマニア受けしそうないい雰囲気が滲み出ています。
東北原という名前の由来はは当地の地名なんでしょうか(少なくとも所在地名には東北原という文字は見当たりません)、あるいは東北地方の何にも無い原っぱの真ん中に湧いているから東北原なんでしょうか。ま、どうでもいいのですが…。

薄暗い玄関にある小さな受付の窓口に、料金とともに下足箱のカギを手渡し、引き換えに脱衣所のロッカーキーを受け取ります。やはり薄暗い廊下には地元の無名演歌歌手のポスターが何枚も貼ってありました。その廊下を進んだ右側がお風呂です。


脱衣所はちょっと狭く、2~3人が同時に使うと窮屈さを感じてしまうこと必至。袋小路状で窓が無いため通気も良くなく、一応扇風機はあるものの、夏の暑い日だったら熱気が溜まって相当蒸し暑そうです。


洗面台下に書かれた「子供のパンパースお持ち帰りください」が微笑ましい…。


お風呂は内湯浴槽一つのみで、カランはシャワー付き混合栓が3基。外に出る扉があって、出ても何もありませんが、訪問時は換気のためにちょこっと開いていました。
浴槽は3~4人サイズ(4人一緒に入るとちょっと窮屈かも)。石板が貼られた浴槽で、湯口からは新鮮なお湯が常時投入され、黒っぽい石の浴槽縁からふんだんにオーバーフローしています。


浴槽脇に埋め込まれた銘板を見ると、このお風呂は平成7年竣工なんですね。見えにくい画像ですいません…。


お湯は無色澄明、ほぼ無味無臭ですが、お湯を掬って鼻に近づけると、硫黄臭に似て非なる不思議な刺戟がほんの僅かに鼻腔をくすぐりました。重曹がメインのお湯であるためか、ヌルヌルに近いツルツススベスベ感がはっきりと感じられ、何度も肌をさすりたくなる実に気持ちよい浴感です。ぬるめのお湯なので長湯向き。入浴料金は300円は1時間までと時間制限されているのですが、その理由はみなさん長湯するからなんでしょうね。


ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉 41.0℃ pH8.3 88L/min(動力揚湯) 溶存物質1021mg/kg 成分総計1021mg/kg

福島県郡山市片平町字庚坦原14  地図
0249-51-9060

※残念ながら閉館したようです。
9:00~21:00(冬季は20:00まで、10月~12月は20:30まで、期間により営業時間が細かく変更されるようです)
300円/1時間(30分増すごとに150円)
ロッカー・シャンプー(+石鹸)・ドライヤーあり

私の好み:★★
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西山温泉 湯島の湯

2011年01月31日 | 山梨県

早川町・西山温泉の手前にある温泉入浴施設です。西山温泉からは大分離れていますが、どういうわけか同じ名前を名乗っています。県道沿いの判りやすい立地で、駐車場も広く、農産物直売所の他に3棟ほど宿泊ロッジも併設されています。


これが宿泊ロッジです。


温泉の受付は宿泊棟の並びに建つ小屋にあり、券売機で料金を支払ってカウンターの方に渡します。訪問時に担当していたお婆ちゃんはとっても愛想の良い方でした。


受付棟を出ると四阿で覆われたような空間に出ますが、ここは浴室へのアプローチとちょっとした休憩スペースを兼ねているようでした。


飲泉場がありましたが、このときは止まっていました。思いっきり乾いているので、長い間止められているのかしら。


脱衣所は清潔で機能的でとっても綺麗。洗面台は陶器製でちょっとした高級感すら漂わせています。

 
ここのお風呂は洗い場がとっても特徴的。お湯の出るカランは無く、源泉が流れている木の樋からお湯を汲んで使うのです。このようなスタイルは北海道の瀬戸瀬温泉や島根県・出雲湯村温泉の共同浴場など、ごく一部の温泉に見られる珍しいタイプでして、贅沢な湯使いができる温泉ならではの設備ですね。お湯を蛇口ではなく、樋から桶で汲んで使うという非日常感が気分を高揚させてくれます(それこそが当施設のコンセプトなんでしょうね)。この洗い場は一度に5人ほどは並べるでしょう。水の蛇口も設けられています。


樋に投入される湯口の桝を除くと、ボコボコと音を立てながらお湯が供給されていました。湯量豊富なんですね。嬉しくなっちゃいます。

 
湯船は露天のみ。一般的には内湯のみか内湯と露天の併設が殆どですが、露天のみというのもこれまた珍しくて個性的です。浴槽は二つあり、一つは白い木肌の6人サイズほどのもの。

 
もう一つは硯の原石を穿ってつくられた感じで、一人がのびのび入れる大きさのものです。
いずれの湯口にも「この湯は飲めます」と書かれた小さな札が置かれていました。

お湯は無色澄明、明瞭なタマゴ臭が感じられ、洗い場にはその匂いが充満しており、思わずクンクン嗅いでしまいました。飲んでみるとタマゴ味と芒硝味、そしてパルプみたいな風味と強アルカリ泉にありがちな微かな収斂に似た感覚が、複雑に混じりながら舌や口腔を覆ってきます。芒硝泉的なひっかかりが若干あるものの、それを上回る強いヌルヌル・ツルツル・スベスベ感がはっきりと感じられ、あまりの肌触りのよさに思わずうっとり。泡つきもたっぷりです。湯温は甲州の温泉らしくぬるめなので、じっくり長湯できます(冬はちょっと厳しいかも。加温するのかしら?)。

周囲には目の前を横切る川とその後背に聳える山々が広がるばかりで、それ以外は何も無く、自然豊かな静寂の中でゆっくり湯浴みすることが出来ました。とってもシンプルで落ち着いていながら、綺麗でそこはかとない小洒落た雰囲気が漂っており、お湯の質もいわゆる「美人の湯」ですから、おそらく女性には受けがいいのではないでしょうか。私にとっても是非再訪したい温泉のひとつになりました。

ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 42.3℃ pH9.7 湧出量未測定 溶存物質1170.7mg/kg 成分総計1170.7mg/kg

山梨県南巨摩郡早川町湯島1780-7  地図
0556-48-2468
ホームページ

10:00~18:00(受付17:30まで) 水曜定休
500円
100円リターン式ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★



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