

郡山近郊には良質な温泉浴場が点在しているので、界隈を訪れる際には必ずどこかしらのお風呂に立ち寄ってから帰路へ就くようにしいていますが、その中でも郡山南インターから比較的近い場所にある「郡山三穂田温泉」は私のお気に入りのひとつです。基本的には旅館業がメインですが、日帰り入浴も積極的に受け入れており、いつ訪れても駐車場は多くの車がとまっています。


玄関脇には源泉が落とされている岩のモニュメントがあり、その後背では藤の花が咲いていました。


フロントまわりの様子。券売機などは無く、帳場へ直接料金を支払います。帳場前にはおつまみやお菓子、お土産などがたくさん陳列されています。また玄関の左手に広がるお座敷では、風呂上りのお客さんがのんびり寛いでおり、田舎らしいほのぼのとした雰囲気が横溢しています。

鉤状に曲がっている通路を進んだ左側が浴室です。

脱衣室はそこそこ広く、夕方の混雑時にもあまりストレス無く利用できます。室内には貴重品用の小ロッカーが設置されている他、洗面台にはドライヤーが備え付けられており、旅行途中に立ち寄って利用するにも便利です。


先日気付いたのですが、脱衣室内に掲示されている俎板みたいな木板に記された分析表は、3年前と現在とでは別物に変わっていたんですね。上画像では左(上)側が2009年、右(下)側が2012年のものです。


男湯の浴室は、右側に縦長の大きな浴槽がひとつ、その反対側(つまり左側)に洗い場のシャワー付き混合水栓が6基並んでいます。
成層火山のような特徴的な形状の湯口は、磐梯山を象っているのでしょうか。湯口には湯の華キャッチャーとしてバスケットが取り付けられており、湯口から出てくるお湯はこのバスケットで濾されてから湯船へと落ちてゆきます。源泉投入量が多ければ吐き出されるお湯がちゃんとバスケットに届くのですが、湯量が絞り気味ですとバスケットの手前でお湯が流れ落ちてしまうため、濾されないまま湯船に注がれちゃうことになります。でもそんな場合でも、いままでの私の入浴経験から申しますと、湯船に湯の華的物質が浮遊しているようなことはあんまり見受けられなかったように記憶しております。
お湯は僅かに緑がかった薄黄色透明、青森県の津軽平野に点在する温泉のような臭素臭に似た香ばしい匂いに、硫黄臭に似たほんのりした匂い、そして弱いミシン油臭に金気臭(鉄臭ではない)が鼻孔に渾然としながら届いてきます。口に含むと、清涼なほろ苦味に芒硝味、そして金気味(やはり鉄味とは異なる)が感じられました。湯加減は42℃くらい、ツルスベ浴感と硫酸塩泉的な引っかかり浴感が混在し、大量投入され、ドバドバと溢れ出てゆく完全掛け流しの非常に気持ち良いお湯です。


露天風呂は2009年5月下旬に新設されたもので、私がはじめてこちらを利用した時、この露天風呂は建設中でした。浴槽は8人サイズ、内湯同様にこちらもふんだんに源泉が供給されてオーバーフローしていきます。内湯では42℃だったお湯は、こちらでは外気に冷やされてぬるくなっており、それゆえ長湯に適しているため、露天に入るお客さんはみなさんじっくりと長湯なさっていました。
敷地の周囲を塀で囲まれているため、外の景色は楽しめませんが、お風呂からは立派な日本庭園が望めるため、これを眺めているだけでも十分。
郡山周辺には良質な温泉がいくつか点在していますが、とりわけこちらのお湯はその質感が際立っており、豊富な湯量やそれに伴う鮮度など、どれをとっても非の打ちどころが無く、いつ訪れても抜群の安定感と安心感が得られるお風呂です。おすすめ。
三穂田温泉2号源泉
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 53℃ 動力揚湯(地下800m) その他の数値不明
福島県郡山市三穂田町駒屋四十坦原16-19 地図
024-954-2626
ホームページ
6:00~22:00
500円
貴重品用の小ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★