温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

切明温泉 川原の露天風呂

2012年07月15日 | 長野県
 
苗場山から下山した後、登山の汗を流すべく、ワイルドな露天風呂へと向かうことにしました。その場所とは、温泉が自噴する川原を自分で掘って露天風呂を自作することで有名な切明温泉です。秋山郷の狭隘な道を南下して、まずは「雄川閣」の駐車場に車をとめます。川原の露天風呂へ向かう客は「雄川閣」の駐車場が利用でき、また川原を掘って自前の風呂を作るためのスコップも借りることができます。でも今回は敢えてスコップを持たずに、入浴道具だけで川原へと向かうことにしました。



しばらく来ないうち、「雄川閣」にはこんな案内看板が掲示されるようになったんですね。


 
切明発電所へ渡る吊り橋で対岸へ。橋詰のゲートは発電所のバリケードとしての役割を果たしているかと思われますが、露天風呂へ行く観光客のためにわずかに隙間が開けられており、「ようこそ秋山郷へ」というバリケードに似つかわしくない文字が出迎えてくれました。



吊り橋の上から上流側を望むと、画像左側(右岸)には「雄川閣」の露天風呂が見え、画像右側奥(左岸)にはこれから目指す川原の湯があるはず。川の真ん中では太公望がルアー釣りを楽しんでいました。


 
川の左岸のトレイルを200mほど歩いて上流側へ。雨が降ってサイレンが鳴ったら一気に増水するから危ないですよ、と警告する看板が2~3箇所に立てられていました。


 
さぁ、温泉湧出地帯へやってきましたよ。この付近だけ川原が砂浜っぽくなっているので、着替えなどがしやすくて便利です。川原や川底の至る所から温泉が自噴しているわけですが、岸の際はかなり熱く、温度計を突っ込んだら54℃もありました。そんなことも知らずに迂闊に裸足をお湯の中へ突っ込んでしまい、思わずその場で飛び跳ねてしまいました。岸ではなく、ちょっと川の方へ離れた方が良さそうですね。石を渡って岸から奥の方へ。


 
こちらにはスコップを持たずにやってきましたが、それは「きっと誰かが先に入って適当な浴槽を作ってくれているはず」と予想していたからであり、案の定、河原には入浴にちょうどよい石の囲いができており、熱いお湯と冷たい川の水がうまい具合にブレンドされて絶妙な湯加減となっていました。おかげでわざわざ掘り起こしたり、石を積み重ねて浴槽を作ったりする手間が省けました。先客に感謝です。



あぁ、気持ち良い。
登山の疲れが一気に吹き飛ぶぜ!


 
川底からブクブクと泡を上げながら絶え間なく熱いお湯が湧き続けています。野湯ってえてして生臭かったりヌルヌルしていたり、藻や落ち葉などが溜まっていたりするので、心から素直に気持ち良いといえるような状態ではない場合が多いのですが、こちらは常に流れているためか、不快な物質の堆積がなく、水も非常に清らかなので、不快感無く湯あみが楽しめます。その無色澄明なお湯からはほんのり焼いたような石膏の匂いと味が感じられます。



私が入った「浴槽」は41℃と絶妙の湯加減でした。でも川から冷たい水が入りこみ、底から熱いお湯が湧いてくるので、湯加減は一定ではなく、熱くなったり冷たくなったりするので、常に手でかき混ぜながら湯温の安定につとめました。また底から湧くお湯のために、お尻を底へつけると火傷しそうになる箇所もありますので、そのあたりも注意しながらの入浴となりました。


 
川岸にはこんなヒューム管が放置されています。元々は源泉施設だったのでしょうか。内部では熱々の源泉がこんこんと湧いており、そのお湯は管の下の隙間から川へと流れ落ち、私が入った「浴槽」へも流れ込んでちょうどよい湯加減を作り上げるのに貢献していました。

この日(2012年7月10日)は真夏のような陽気でしたが、幸いにしてアブがまったく発生しておらず、私以外には誰にもいなかったので、雄大な自然のもとで心置きなく野趣あふれる露天風呂を楽しむことができました。


カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(野湯につき分析表なし)

長野県下水内郡栄村堺切明  地図
いつでも入浴可能
無料
野湯につき備品類なし

私の好み:★★★
コメント
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