山形県・上山のリナワールド付近に位置している温泉「龍王温泉荘」で入浴してきました。国道13号旧道(現県道)の路傍に目立たない看板が立っており、そこからラブホテルの裏手へ伸びる路地を入ってゆくとすぐに到達できました。周囲は鬱蒼とした木々で囲われており、桜の大樹の下にエントランスに庇が伸びています。隣には「想耕庵」という蕎麦処があるのですが、訪問時は運悪く「本日分完売」とのことでお蕎麦をいただくことはできませんでした。
玄関横には昔懐かしいたばこの自販機が置かれていますが、躯体にはキーが刺さったままですし、前は荷物で塞がれているので、おそらく使用できない状態かと思います。
玄関周りは昭和40~50年代から時計の針が止まったかのような雰囲気。帳場の横にはこの温泉が湧出した当時の写真展示されていました。昭和34~5年に撮影されたものらしく、桑畑の中には原始的な露天風呂が設けられ、老若男女が一緒になって湯あみしている光景が映っています。またドラム缶風呂には元気そうな子供が入っていますが、この子供は今では年金を貰えるようなお歳になられているんでしょうね。
ロビーには懐かしのテーブル筐体のゲーム機が2台並べられていました。1台はピンボールですがもう一方は不明。いずれも電源が入っておらずに画面は真っ黒でしたが、電源を投入したところで使用できるか否かは不明。
浴室は玄関左手。男女別内湯が一室ずつで、男湯は左側。浴室入口前には、硬貨を投入してハンドルをガチャンと回すと商品が落ちてくる、少々昔の旅館に良く見られたタイプの自販機が置かれていました。
脱衣所はかなり狭く、室内には棚と流し台しかありませんが、壁にはなぜか「ゆうせん」のボリュームコントローラーが設置されたまま放置されていました。ボリュームは最大になっていますがスピーカーからは何も聞こえてきません。このコントローラーの他にもタバコ自販機やゲーム筐体など、施設内は使われていないまま放っておかれているままの設備が多いですね。
浴室も小規模ですが、入ってビックリ。噂には聞いていましたが、浴室全体がオーバーフローのお湯で大洪水状態になっており、その水深は2~3cmもあって、2つの浴槽に続いて洗い場の床が第三の浴槽のようになっているではありませんか。床に開けられている排水口も大量のお湯を吸い込んで常に渦を巻いています。すごいな、こりゃ。
男女浴室の間は曇りガラスで仕切られており、訪問時の利用客は私しかいなかったので断言はできませんが、もし向こう側の浴室でお客さんがいたら、その動く影が見えちゃいそうです。
洗い場には水道の蛇口と、水しか出ないシャワーがそれぞれひとつずつあるのみ。カランからお湯は出ません。
二つある浴槽の右側は2人サイズで、加温された温泉が張られており、おそらく循環も行われているようで、浴槽縁の切り欠けから溢れるお湯はかなり少なめです。
一方、左側浴槽は一人しか入れない小さなものですが、湯口から非加熱のぬるい源泉が鬼のようにドバドバ投入されており、洗い場をお湯で氾濫させているのはこの湯口が原因なのでありました。
ただでさえオーバーフローがすごいのに、ここへ私が身を沈めると、床に波が立つほどの大洪水状態となりました。こちら側の浴槽には切り掛けが無く、縁そのものの高さが右側の加温槽より低いので、縁の全辺からドバーっと溢れ出てゆきます。
浴室は小さくて古いので、そこだけを捉えたらわざわざ立ち寄るほどのお風呂ではないのですが、この怒涛の如き溢れ出しはまさに圧巻、しかも不感温度帯のぬる湯なので、いつまでもじっくり浸かっていられます。これからの暑い時期にはぴったりのお風呂ですね。恐れ入りました。ちなみにこの大量掛け流しは男湯のみで、女湯はやや広い加温槽があるだけなんだそうです…。
単純温泉 36.5℃ pH8.1 蒸発残留物234.4mg/kg 溶存物質303.3mg/kg
Na+:42.7mg,
SO4-:44.7mg, HCO3-:72.5mg,
H2SiO3:121.1mg
山形市役所・山交ビル角(山形駅至近)~表蔵王~上山の山交バスで金瓶南下車、徒歩2分(リナワールド経由の便は金瓶南には行きません)
山形県上山市金瓶原150 地図
023-672-4987
営業時間を確認し忘れました(8:00~19:00だったかな?) 第1・3木曜定休
300円
石鹸のみ備え付けあり(シャンプー&リンスや髭剃りなど販売あり)
私の好み:★★