塩原温泉では「塩原古式湯まつり」と称するお祭りが年に1回、9月上旬に開催されるのですが、この祭事の一環として「温泉ふるまい」というイベントも行われ、1日限定で協賛旅館のお風呂に無料で入れる他、地元民専用の共同浴場の一部が外来客にも無料開放されます。今年(2013年)の協賛旅館には普段日帰り入浴を受け入れていないお宿も含まれていたので、この好機に入浴してみようかとも考えたのですが、旅館ならばお金を払って宿泊すればそのお風呂に入れますが、地元民専用の浴場はこのチャンスを逃すと、お金を払ったって入浴することはできませんから、今回は地元民専用の共同浴場に的を絞って巡ってみることにしました。
なお前回記事にて塩原古町温泉の「民宿本陣」に宿泊したことを述べましたが、これは「温泉ふるまい」の恩恵をただ一方的に享受するのではなく、外来利用者として当地にお金を落とすことが礼儀になるだろうと考えたからであります。共同浴場は地元の方の有志によって成立しているのであり、その志し(つまり資金)は、観光業を主な生業とする当地においては宿泊や飲食による収入が原資となっているわけですから、当地で宿泊および飲食することが、間接的に共同浴場へ寸志を納めることにつながるだろうという発想であり、願いでもあります。もちろん、これはあくまで私個人の独り善がりな思考ですので、当日にお財布を開くことなく利用なさった方がいらっしゃったとしても、どうかお気になさいませぬよう…。
2013年の「温泉ふるまい」で開放された共同浴場は、古町地区で2ヶ所、畑下地区で1ヶ所の計3ヶ所でした。開放される浴場はHP上で告知される他、現地観光案内所でも教えてくださいます。今回はその全てを巡ってまいりましたが、まずは古町地区某所にある「Hの湯」から訪問してみることにしました。検索エンジンに引っかからないよう、記事の中では実名を伏せておきますが、画像では浴場名の扁額をしっかり写していますので、来年以降に湯めぐりなさる方は画像を参考になさってください。

タイトルでは「某所H」と表記しましたが、決して某所でエッチなことをするという意味ではなく、もちろん浴用名の頭文字を取ったまでのことです。場所としては決してそんなエロいことなんて出来そうにもないほど、比較的初見の方でもわかりやすい場所に位置しています。自慢じゃありませんが、私は地図を見ずに一発で行き当てましたよ。

2階建ての公民館の1階に浴場があり、入口扉の前ではアサガオの蔓が緑のブラインドを作っていました。入口の上には浴場名が揮毫されている扁額が掛かっています。普段は閉じられている入口の扉も、この日に限ってはしっかり開放されていました。ありがたくお邪魔させていただきます。

脱衣室・浴室とも一室しかないため、いずれも男女を問わず一緒に利用することになります(つまり混浴です)。公民館に付帯する地域住民のための共同浴場らしく、脱衣室内には地域のお知らせがたくさん貼り出されていました。また壁には清掃当番のスケジュールを表したホワイトボードがかかっていました。

利用客が限定されている地元民専用の共同浴場にしては、浴室は結構広く、浴槽をもう少し大きくできたら、真ん中に仕切り塀を立てて男女別にしても良さそうなほどのスペースがあります。
側壁上部には化成品の白い耐湿内壁材が用いられ、下部はモルタルの上に小豆色の塗装、床にはビルの屋上に用いるような緑色の防水塗装が施されています。室内の左右に分かれて洗い場があり、カランが計3組(お湯と水の水栓)が設置されています(シャワーはありません)。なお水栓からは源泉のお湯は出てきました。


浴槽も共同浴場にしては比較的大きな造りで、同時に5~6人は入れそうな容量があります。コンクリ製で、元々は緑色に塗装されていたものと思われますが、温泉成分の付着によって槽内は赤茶色に、あるいは赤黒く染まっていました。
コックが付いた配管や、その直下の槽内にある投入口より源泉がふんだんに供給されており、赤黒く染まった縁から惜しげも無く大量にオーバーフローしていました。源泉のままではちょっと熱いので、先客の方は加水していましたが、当然ながら循環など行われていない完全放流式の湯使いであり、お湯の鮮度感は抜群です。
お湯は貝汁濁りで、湯中には赤茶色の浮遊物がチラホラ舞っています。お湯からは金気や鉱物油的な匂いの他に何かが焦げたような渋い匂いも漂っており、口に含むと重炭酸土類泉的な土類味と金気味に炭酸味、そして焦げたような苦味や渋味が感じられました。浴感としては重曹泉的なツルサラ感がメインで、ギシギシとした引っ掛かりも拮抗しているものの、ツルサラ感の方が優勢のようでした。湯上がりには炭酸泉で体感できるような、体の芯からジワジワと感じられる温浴効果が得られ、発汗も長く続きますが、にもかかわらず外気に触れた時の清涼感も同時にあり、一浴でいろんな感覚が楽しめるのが面白いところです。共同浴場のお湯って、変な小細工が無い分、お湯の良さがダイレクトに伝わってきますよね。
温泉分析書掲示なし
栃木県那須塩原市の古町温泉地区某所(地図による特定は控えさせていただきます)
2013年の開放時間は11:00~15:00でした。
備品類なし
私の好み:★★★
なお前回記事にて塩原古町温泉の「民宿本陣」に宿泊したことを述べましたが、これは「温泉ふるまい」の恩恵をただ一方的に享受するのではなく、外来利用者として当地にお金を落とすことが礼儀になるだろうと考えたからであります。共同浴場は地元の方の有志によって成立しているのであり、その志し(つまり資金)は、観光業を主な生業とする当地においては宿泊や飲食による収入が原資となっているわけですから、当地で宿泊および飲食することが、間接的に共同浴場へ寸志を納めることにつながるだろうという発想であり、願いでもあります。もちろん、これはあくまで私個人の独り善がりな思考ですので、当日にお財布を開くことなく利用なさった方がいらっしゃったとしても、どうかお気になさいませぬよう…。
2013年の「温泉ふるまい」で開放された共同浴場は、古町地区で2ヶ所、畑下地区で1ヶ所の計3ヶ所でした。開放される浴場はHP上で告知される他、現地観光案内所でも教えてくださいます。今回はその全てを巡ってまいりましたが、まずは古町地区某所にある「Hの湯」から訪問してみることにしました。検索エンジンに引っかからないよう、記事の中では実名を伏せておきますが、画像では浴場名の扁額をしっかり写していますので、来年以降に湯めぐりなさる方は画像を参考になさってください。


タイトルでは「某所H」と表記しましたが、決して某所でエッチなことをするという意味ではなく、もちろん浴用名の頭文字を取ったまでのことです。場所としては決してそんなエロいことなんて出来そうにもないほど、比較的初見の方でもわかりやすい場所に位置しています。自慢じゃありませんが、私は地図を見ずに一発で行き当てましたよ。


2階建ての公民館の1階に浴場があり、入口扉の前ではアサガオの蔓が緑のブラインドを作っていました。入口の上には浴場名が揮毫されている扁額が掛かっています。普段は閉じられている入口の扉も、この日に限ってはしっかり開放されていました。ありがたくお邪魔させていただきます。


脱衣室・浴室とも一室しかないため、いずれも男女を問わず一緒に利用することになります(つまり混浴です)。公民館に付帯する地域住民のための共同浴場らしく、脱衣室内には地域のお知らせがたくさん貼り出されていました。また壁には清掃当番のスケジュールを表したホワイトボードがかかっていました。


利用客が限定されている地元民専用の共同浴場にしては、浴室は結構広く、浴槽をもう少し大きくできたら、真ん中に仕切り塀を立てて男女別にしても良さそうなほどのスペースがあります。
側壁上部には化成品の白い耐湿内壁材が用いられ、下部はモルタルの上に小豆色の塗装、床にはビルの屋上に用いるような緑色の防水塗装が施されています。室内の左右に分かれて洗い場があり、カランが計3組(お湯と水の水栓)が設置されています(シャワーはありません)。なお水栓からは源泉のお湯は出てきました。



浴槽も共同浴場にしては比較的大きな造りで、同時に5~6人は入れそうな容量があります。コンクリ製で、元々は緑色に塗装されていたものと思われますが、温泉成分の付着によって槽内は赤茶色に、あるいは赤黒く染まっていました。
コックが付いた配管や、その直下の槽内にある投入口より源泉がふんだんに供給されており、赤黒く染まった縁から惜しげも無く大量にオーバーフローしていました。源泉のままではちょっと熱いので、先客の方は加水していましたが、当然ながら循環など行われていない完全放流式の湯使いであり、お湯の鮮度感は抜群です。
お湯は貝汁濁りで、湯中には赤茶色の浮遊物がチラホラ舞っています。お湯からは金気や鉱物油的な匂いの他に何かが焦げたような渋い匂いも漂っており、口に含むと重炭酸土類泉的な土類味と金気味に炭酸味、そして焦げたような苦味や渋味が感じられました。浴感としては重曹泉的なツルサラ感がメインで、ギシギシとした引っ掛かりも拮抗しているものの、ツルサラ感の方が優勢のようでした。湯上がりには炭酸泉で体感できるような、体の芯からジワジワと感じられる温浴効果が得られ、発汗も長く続きますが、にもかかわらず外気に触れた時の清涼感も同時にあり、一浴でいろんな感覚が楽しめるのが面白いところです。共同浴場のお湯って、変な小細工が無い分、お湯の良さがダイレクトに伝わってきますよね。
温泉分析書掲示なし
栃木県那須塩原市の古町温泉地区某所(地図による特定は控えさせていただきます)
2013年の開放時間は11:00~15:00でした。
備品類なし
私の好み:★★★