※現在は「ヘルシースパ サンロード」としてリニューアルされました。
初めて出会った人との第一印象と、実際にその人の品性に触れた後とでは、えてして前後の印象に大きな乖離が生まれることがありますよね。その場合において、たとえば、怪しげだったり或いは貧相な第一印象にもかかわらず、いざ話してみたら器が大きく朗らかで且つクレバーだったりすると、印象の高低差によって、その相手をかなりの善人のように思ってしまう傾向があるはずです。
いまや温泉巡りをする際にはネット上の情報が欠かせませんが、今回取り上げる甲府市の「大滝温泉」に関するネット上の口コミを見ても、はじめは期待していなかったけど、入ってみたらお湯が気に入った、といったような内容が多く見られました。見た目で損をしているとは残念ですが、とはいえ皆さんお湯の良さには満足なさっているようです。かく言う私は5年前に一度利用しており、その時は確かに、施設としては小さなスーパー銭湯という程度の認識しかありませんでしたが、お湯の良さはしっかりと記憶に残っており、ネットの口コミを読んだ時には思わず頷いてしまいました。
そんなイメージを抱きながら、久しぶりに先日再訪したところ、外観が和風な装いに変わっており、屋根は黒く外壁はカラシ色に塗装され、落ち着いたカラーリングにまとめられていました。勝手な想像ですが、外観で損をしないよう、一念発起したのかもしてませんね。
参考までに、日没後に撮影した画像で恐縮ですが、上画像は2008年に訪問した際に撮影した外観です。建物の躯体は現在と同じですが、外観は確かに面白みに欠けるものでした。なお、リニューアル前は「大滝温泉おふろの国」という名称でしたが、現在は単に「大滝温泉」となっています。温泉といえば「和」をイメージする方が多いでしょうから、外観も名称も、従来のスーパー銭湯的な色彩を払拭して、和風路線へと方向転換したのかもしれません。
玄関にて靴を下足箱に収めます。なお下足箱のカギは受付で預けずに退館時まで自分で管理しますから、紛失しないように注意しましょう。館内もすっかり綺麗に生まれ変わっており、どこもかしこも白くピカピカに輝いていました。受付の左手には休憩室が用意されており、2階へ上がると食堂となっているようです。
脱衣室に設置されているロッカーは100円玉を使うリターン式ですから、利用の際には予め100円玉を手元に用意しておきましょう。スピーカーからジャズが流れる室内はそこそこ綺麗で、洗面台が4台並んでおり、それぞれにドライヤーが用意されています。壁には「天然自噴温泉 ~源泉 使いきりの湯~」と書かれた貼り紙が誇らしげに掲示されていました。
浴室のレイアウトは以前と変わりありませんが、タイルなどは貼り替えられており、まるで新設のお風呂を利用しているかのようです。浴室内には洗い場の他、窓下にある大きな主浴槽、そしてサウナと水風呂が設けられています。
主浴槽には43℃の温泉が張られており、後述する露天風呂を含めても、この浴槽のお湯が最も熱い設定となっていました。「かけ流し」の言葉には偽りがないようでして、槽内には怪しげな吸引口など無く、隅っこの湯口から投入された源泉は、湯船を満たした後に窓下の溝へと溢れ出ており、れっきとした放流式の湯使いとなっていました。
洗い場には12個のカランが並んでおり、オートストップ式のカランとシャワーの組み合わせなのですが、いずれも単水栓ですからお湯しか出ません。
露天エリアではいろんな浴槽に入れます。主浴槽(内湯)が面しておるガラス窓の向こう側には、打たせ湯2本と4~5人サイズの屋根付き露天風呂が並んでおります。いずれも温泉が使用されていますが、打たせ湯はともかく、右側の屋根付き露天風呂に関してはお湯の投入量が絞られており(この日だけ?)、かなりぬるめの湯加減でした。この露天のお湯は打たせ湯の方へと流れ、更に打たせ湯側面の穴より排湯されています。
打たせ湯の左側には2つの壺湯があり、いずれも同じ大きさで同じような湯加減のお湯が張られていました。壺湯の楽しみといえば、体にフィットするお籠り感と、体を沈めた時にザバーっと豪快にあふれるお湯ですが、もちろんここでもその両方を楽しむことが出来ました。こちらも投入量がやや絞り気味であるためか、屋根付き露天風呂ほどではないにせよ、ややぬるめでした。
壺湯の左側に配置されているジャグジー露天風呂は、露天エリアでは最も大きい6~7人サイズの岩風呂で、その中央ではものすごい勢いで泡がボコボコと上がっていました。湯加減は壺湯とほぼ同様の40~41℃です。
投入口からふんだんに源泉が供給されており、ジャグジーの勢いも借りて、しっかりとした量のお湯が手前側から溢れ出ています。
ぬるいお湯の温泉浴場が多い山梨県らしく、内湯の主浴槽以外は悉くぬるい設定となっているのが面白い点ですね。なおお湯の鮮度は良い方から、内湯(主浴槽)>壺湯>ジャグジー露天風呂>屋根付き露天風呂という順でした。露天のぬるさに関しては、投入量を絞っているためなのか或いは加水しているのか、はたまたその両方なのか、そのあたりの事情はよくわかりません。
お湯は琥珀のような褐色を呈しており、小豆色の湯の華がたくさん浮遊しています。湯口でお湯を桶に汲んでみると、容易に湯の華を捉えることができました。この湯の華は内湯や壺湯で特に多く見られました。また、はっきりとした清涼感のあるほろ苦い重曹味と微金気味、そして鉱物油臭と弱モール臭に微金気臭が感じられました。典型的な甲府盆地の温泉らしいモール系のお湯であり、ツルツルスベスベの肌触りと、湯上がりの爽快感には素晴らしいものがありました。近隣の温泉銭湯と同等の料金でありながら、掛け流しのモールのお湯と多様なお風呂が楽しめる、コストパフォーマンスに優れた施設であると言えましょう。
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 48.8℃ pH7.6 363L/min(動力揚湯) 溶存物質1688mg/kg 成分総計1708mg/kg
Na+:364.4mg(78.27mval%), NH4+:2.1mg, Ca++:36.6mg,
Cl-:256.3mg(34.43mval%), Br-:1.1mg, I-:0.4mg, HCO3-:839.4mg(65.52mval%),
H2SiO3:128.9mg, CO2:19.8mg,
身延線・国母駅より徒歩25分(2.0km)、あるいは甲府駅バスターミナルより山梨交通バスの「山梨大学付属病院」行(57番)で「大里南団地」バス停下車、徒歩2分程度(250m)
山梨県甲府市大里町4144-4 地図
055-243-1126
ホームページ
※現在は「ヘルシースパ サンロード」としてリニューアルされました。
10:00~24:00 第2火曜定休
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5
初めて出会った人との第一印象と、実際にその人の品性に触れた後とでは、えてして前後の印象に大きな乖離が生まれることがありますよね。その場合において、たとえば、怪しげだったり或いは貧相な第一印象にもかかわらず、いざ話してみたら器が大きく朗らかで且つクレバーだったりすると、印象の高低差によって、その相手をかなりの善人のように思ってしまう傾向があるはずです。
いまや温泉巡りをする際にはネット上の情報が欠かせませんが、今回取り上げる甲府市の「大滝温泉」に関するネット上の口コミを見ても、はじめは期待していなかったけど、入ってみたらお湯が気に入った、といったような内容が多く見られました。見た目で損をしているとは残念ですが、とはいえ皆さんお湯の良さには満足なさっているようです。かく言う私は5年前に一度利用しており、その時は確かに、施設としては小さなスーパー銭湯という程度の認識しかありませんでしたが、お湯の良さはしっかりと記憶に残っており、ネットの口コミを読んだ時には思わず頷いてしまいました。
そんなイメージを抱きながら、久しぶりに先日再訪したところ、外観が和風な装いに変わっており、屋根は黒く外壁はカラシ色に塗装され、落ち着いたカラーリングにまとめられていました。勝手な想像ですが、外観で損をしないよう、一念発起したのかもしてませんね。
参考までに、日没後に撮影した画像で恐縮ですが、上画像は2008年に訪問した際に撮影した外観です。建物の躯体は現在と同じですが、外観は確かに面白みに欠けるものでした。なお、リニューアル前は「大滝温泉おふろの国」という名称でしたが、現在は単に「大滝温泉」となっています。温泉といえば「和」をイメージする方が多いでしょうから、外観も名称も、従来のスーパー銭湯的な色彩を払拭して、和風路線へと方向転換したのかもしれません。
玄関にて靴を下足箱に収めます。なお下足箱のカギは受付で預けずに退館時まで自分で管理しますから、紛失しないように注意しましょう。館内もすっかり綺麗に生まれ変わっており、どこもかしこも白くピカピカに輝いていました。受付の左手には休憩室が用意されており、2階へ上がると食堂となっているようです。
脱衣室に設置されているロッカーは100円玉を使うリターン式ですから、利用の際には予め100円玉を手元に用意しておきましょう。スピーカーからジャズが流れる室内はそこそこ綺麗で、洗面台が4台並んでおり、それぞれにドライヤーが用意されています。壁には「天然自噴温泉 ~源泉 使いきりの湯~」と書かれた貼り紙が誇らしげに掲示されていました。
浴室のレイアウトは以前と変わりありませんが、タイルなどは貼り替えられており、まるで新設のお風呂を利用しているかのようです。浴室内には洗い場の他、窓下にある大きな主浴槽、そしてサウナと水風呂が設けられています。
主浴槽には43℃の温泉が張られており、後述する露天風呂を含めても、この浴槽のお湯が最も熱い設定となっていました。「かけ流し」の言葉には偽りがないようでして、槽内には怪しげな吸引口など無く、隅っこの湯口から投入された源泉は、湯船を満たした後に窓下の溝へと溢れ出ており、れっきとした放流式の湯使いとなっていました。
洗い場には12個のカランが並んでおり、オートストップ式のカランとシャワーの組み合わせなのですが、いずれも単水栓ですからお湯しか出ません。
露天エリアではいろんな浴槽に入れます。主浴槽(内湯)が面しておるガラス窓の向こう側には、打たせ湯2本と4~5人サイズの屋根付き露天風呂が並んでおります。いずれも温泉が使用されていますが、打たせ湯はともかく、右側の屋根付き露天風呂に関してはお湯の投入量が絞られており(この日だけ?)、かなりぬるめの湯加減でした。この露天のお湯は打たせ湯の方へと流れ、更に打たせ湯側面の穴より排湯されています。
打たせ湯の左側には2つの壺湯があり、いずれも同じ大きさで同じような湯加減のお湯が張られていました。壺湯の楽しみといえば、体にフィットするお籠り感と、体を沈めた時にザバーっと豪快にあふれるお湯ですが、もちろんここでもその両方を楽しむことが出来ました。こちらも投入量がやや絞り気味であるためか、屋根付き露天風呂ほどではないにせよ、ややぬるめでした。
壺湯の左側に配置されているジャグジー露天風呂は、露天エリアでは最も大きい6~7人サイズの岩風呂で、その中央ではものすごい勢いで泡がボコボコと上がっていました。湯加減は壺湯とほぼ同様の40~41℃です。
投入口からふんだんに源泉が供給されており、ジャグジーの勢いも借りて、しっかりとした量のお湯が手前側から溢れ出ています。
ぬるいお湯の温泉浴場が多い山梨県らしく、内湯の主浴槽以外は悉くぬるい設定となっているのが面白い点ですね。なおお湯の鮮度は良い方から、内湯(主浴槽)>壺湯>ジャグジー露天風呂>屋根付き露天風呂という順でした。露天のぬるさに関しては、投入量を絞っているためなのか或いは加水しているのか、はたまたその両方なのか、そのあたりの事情はよくわかりません。
お湯は琥珀のような褐色を呈しており、小豆色の湯の華がたくさん浮遊しています。湯口でお湯を桶に汲んでみると、容易に湯の華を捉えることができました。この湯の華は内湯や壺湯で特に多く見られました。また、はっきりとした清涼感のあるほろ苦い重曹味と微金気味、そして鉱物油臭と弱モール臭に微金気臭が感じられました。典型的な甲府盆地の温泉らしいモール系のお湯であり、ツルツルスベスベの肌触りと、湯上がりの爽快感には素晴らしいものがありました。近隣の温泉銭湯と同等の料金でありながら、掛け流しのモールのお湯と多様なお風呂が楽しめる、コストパフォーマンスに優れた施設であると言えましょう。
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 48.8℃ pH7.6 363L/min(動力揚湯) 溶存物質1688mg/kg 成分総計1708mg/kg
Na+:364.4mg(78.27mval%), NH4+:2.1mg, Ca++:36.6mg,
Cl-:256.3mg(34.43mval%), Br-:1.1mg, I-:0.4mg, HCO3-:839.4mg(65.52mval%),
H2SiO3:128.9mg, CO2:19.8mg,
身延線・国母駅より徒歩25分(2.0km)、あるいは甲府駅バスターミナルより山梨交通バスの「山梨大学付属病院」行(57番)で「大里南団地」バス停下車、徒歩2分程度(250m)
山梨県甲府市大里町4144-4 地図
055-243-1126
ホームページ
※現在は「ヘルシースパ サンロード」としてリニューアルされました。
10:00~24:00 第2火曜定休
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5